| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 フェリーニ作品としてはわかりやすい。因果応報、道徳と人間性といった問題が凝縮されているように感じた。
■詐欺師どもは貧乏人を狙ってなけなしの金を騙し取る。非道な者どもであり、仲間の一人は妻から見はなされそうになる。悪の道に進むと、通常の人が抱くような愛や信用といった純朴な心とは無縁な世界を歩まなければいけないのだ。それは主人公自身が何よりも自覚しているはずだった。 ■だが主人公にも娘がいた。面倒をみたいと思っているのだが、あろうことか娘の目の前で警察に逮捕される。そして次の仕事で狙った相手の半身不随の娘との会話で胸を打たれる。あの娘の健気さとまっすぐさは見ていても素晴らしく伝わってくる。 ■悔悛したいと思うが、結局出来ない主人公はそのまま崖に突き落とされ、這いあがれずに死んでいく。最後に体から金が出てきたのは「善良になりたいと思っているけど、儲かる悪事を止められない」という主人公の心の矛盾した側面を表しているのだろう。コートを捨ててふっ切ったピカソとの対比が印象的。 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-04-24 00:24:06)
θ さんの 最近のクチコミ・感想
|