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前作「ゴジラVSビオランテ」が大人向けの難解な物語を展開したために、ファミリー向けの娯楽作として方向転換した本作は、よく槍玉に上げられる。実際のところ、この路線変更が平成ゴジラを記録的なヒットシリーズへと突き進めたわけだけど、だからといって作品自体の質が悪いとは思えない。84ゴジラがパニック映画、「ビオランテ」がアクション映画の要素を盛り込んでいったのに対し、本作はSF映画と戦争映画の融合を試みた作風だったわけだが、この試み自体は成功だったように思う。従来の宇宙怪獣だったキングギドラを思い切って未来怪獣にマイナーチェンジさせてみたり、ゴジラ誕生のいきさつを思い切って明かしてみたりとゴジラ映画の既成概念を破壊する意欲が垣間見える。それでいてゴジラ対キングギドラの特撮シーンもかなり迫力に満ちているので文句のつけようがない。確かにタイムトラベルの考証自体は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」等の諸作に比べて詰めの甘さが垣間見えるが、スタッフが展開の早さで矛盾を気付かせないようにするというある種のマジックを大胆に導入させたことで、それほど気になるものではないと思うんだが。
【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-12-26 03:57:25)
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