虹の女神 Rainbow Song の マンフロント さんのクチコミ・感想

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虹の女神 Rainbow Song の マンフロント さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 虹の女神 Rainbow Song
製作国
上映時間118分
劇場公開日 2006-10-28
ジャンルドラマ,青春もの,ロマンス
レビュー情報
あおいは恋よりも、創造の女神を追求する妥協をしらない映像ストーカーだ。しかし人は、一人の人間として、片面だけで生きるのではなく、生を総体的に実現して生きたいとも想う。つまり男勝りの仕事をするキャリアウーマンも、家庭にはいり、愛する人との子供を生んで育てたいと考える女としての一面を同時にあわせ持つ。学生時代、ディレクター時代、あおいは妥協を許さないたくましい創造者と、繊細で臆病な女性の両面の間で揺れ動いている。あおいの自主映画は、表現者としてのあおいを仮託したストーカー智也が、死に行く女としてのあおいを看取る映画と解釈できる。このようにあおいの女性としての一面は、デート喫茶でミットモネー状態となったり、智也からも女を感じない、といわれたりで、創造者の一面とはちがってなかなか世間に認めてもらえず抑えられ続けてきた。そしてあおいが智也の背中を他の女へと押したように、智也はあおいを創造の女神へ向かうように押し続ける。あおいが卓也の背中を、他の女へ向かうように押すのは、幸福な恋愛が創造する魂をスポイルするのを、彼女の創造者としての一面が防ごうとしているからではないか。あおいが智也の鈍感なところを好きなのは、その鈍感が、彼女の創造者としての一面と、恋する女としての一面を共存させてくれるからではないか。そして創造する魂のために彼女は志半ばで倒れることになり、最後の最後に彼女が抑え続けていた、少女のように純粋な女としての一面の想いが、手紙の中の指輪に結実して表現されることになる。 深夜TVでちょっと見ただけで主演二人のリアルな演技にひきこまれ、ラストの指輪でついにかなえられなかった思いの切なさが心に残る。見返すたびに発見があり、解説サイトを読むことで映像の意味が深まり、深読みの楽しみもある上野樹里の魅力が炸裂する傑作。
マンフロントさん [DVD(邦画)] 10点(2008-01-05 11:20:59)(良:1票)
マンフロント さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2019-08-09(500)日のサマー8レビュー6.60点
2009-10-27プライド(2008)8レビュー6.38点
2009-09-04愛のむきだし9レビュー7.17点
2009-04-03ヤッターマン(2008)8レビュー5.14点
2009-03-12ジェネラル・ルージュの凱旋7レビュー6.26点
2008-11-26うた魂♪9レビュー5.96点
2008-08-31ノーカントリー8レビュー6.41点
2008-04-25キサラギ8レビュー7.52点
2008-04-04亀は意外と速く泳ぐ8レビュー6.55点
2008-03-07それでもボクはやってない8レビュー7.60点
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