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《ネタバレ》 見るたびに、ドレミの歌とエーデルワイス合唱のシーンで涙が出てきてしまいます。この二つのシーンは、映画としてものすごいカタルシスを感じるのですが、その理由を考えると、次のようなことが言えると思います。
インターミッションの存在で、前半・後半と分けてとらえがちですが、実は3部+エンディングという構成になっているということです。 第1部は、冒頭からドレミの歌までで、子供たちが本来の生き方を取り戻し、マリアが自分に合った生き方を見つける物語。 第2部は、大佐の帰宅からマリアとの結婚式までで、マリアが大佐への想いを、大佐は見失っていた愛を取り戻す物語。 第3部は、ナチス・ドイツの侵攻から、音楽祭のエーデルワイスの合唱までで、オーストリアの人たちが声を合わせ、故国への想いを取り戻す物語。 エンディングは、トラップ一家が無事に脱出し、観客に安堵感を与えています。 いずれの物語も、根底にあるテーマは、自己を取り戻すというアイデンティティーの確立だと言えるのではないでしょうか。そして、各々のクライマックスは、ドレミの歌・マリアの歌・エーデルワイスと、それぞれの合唱で、観客の心を揺さぶるので、ここに激しいカタルシスを感じるのだと思います。人は、どんな境遇にあっても、努力やきっかけ次第で自分を取り戻すことができる、そんな可能性を観るものに訴えている気がします。 また、難しく考えずとも、映画ならではの雄大なロケーションや場面転換などを生かした本作は、映画の楽しさ、素晴らしさをこれ以上無く教えてくれる作品だと思います。 いささか冗長なシーンもありますが、欠点を認めてさえもなお、10点をつけることをためらわない最高傑作の映画だと、私は考えます。 【塚原新】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-02-18 22:28:05)(良:1票)
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