世界大戦争 の 丹羽飄逸 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > セ行
 > 世界大戦争
 > 丹羽飄逸さんのレビュー
世界大戦争 の 丹羽飄逸 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 世界大戦争
製作国
上映時間110分
劇場公開日 1961-10-08
ジャンルドラマ,SF,ラブストーリー,戦争もの,特撮もの
レビュー情報
《ネタバレ》 何とも漠然としたタイトルで、大規模なテーマゆえ作りも大味になっているだろうと、観る前は懸念があった。が、展開が進むにつれ目頭が熱くなる自分がいた。ささやかな市井の幸福が瓦解する恐怖感といったら凄絶の極み。逃げまどう大混乱の国民、閑散とした街に居残る田村家、そして冴子と高野のモールス信号に胸打つ。また、円谷英二の特撮にも感嘆。現今のCGよりも明らかに技術レベルは低いはずだが、本作の特撮の方がずっと緊迫感、悲愴感が伝わるからフシギだ。これは作り手の切実たる熱意の賜物なのだろうか。そして洋上の貨物船・笠置丸。東京の最後を見守った高野や船長(東野英治郎)たちが、東京へ戻るのを決意するという厳粛なシーン。そこへひょっこりコック長(笠智衆)が現れ、「船長、コーヒーを入れて参りました」。このセリフには思わずのけぞった。悲愴な空気の中、いつも通り淡々とした笠さん。しかもコーヒーどうぞときたもんだ。これは却ってリアルな虚脱を痛感する。そして脳裏をよぎる子供達の「お正月」合唱。 ♪もう~い~くつ寝~る~と~お正月~…この歌がこれほど悲しく聞こえたことはない。最強の核戦争映画である。
丹羽飄逸さん [地上波(邦画)] 9点(2008-02-11 00:16:48)
丹羽飄逸 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2016-09-23青春デンデケデケデケ8レビュー7.50点
2016-09-22間奏曲(1936)7レビュー6.66点
2016-09-21故郷(1972)8レビュー7.65点
2016-09-21奇跡の人(1962)9レビュー8.15点
2016-09-21オネーギンの恋文7レビュー5.50点
2016-09-20情婦9レビュー8.44点
2008-02-11人間の証明4レビュー4.56点
2008-02-11花咲ける騎士道(1952)8レビュー6.80点
2008-02-11おかしな奴(1963)10レビュー9.50点
2008-02-11偽りの花園7レビュー7.37点
世界大戦争のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS