| 作品情報
レビュー情報
京マチ子の「当たり役」と思えるほど彼女の演技も良かったし、役も合っていますね。
彼女は若年時に親に死なれ・売られ転々としながら育った過酷な環境を経験しており、「成功」のためにはあらゆる手段をもいとまない女性。新藤さんの脚本はこういう作品が多いのですが、今回は悲劇調ではなく、「一人の女性」として描ききっている所に好感が持てた。彼女は常に向上心を持ち、前を向いている。そこには昔味わった「無一文の地獄」を二度と味わいたくないという背景があるのですが、それだけに【エゴ】が美しくも醜くも剥き出しとなります。 そういう、彼女の人生も「しっぺ返し」をくらいます。朱美の一番弟子である若尾文子の「したたかさ」は、まさに朱美に近い人物像で、同じく貧しい過去を持ち、トップに上がるためには手段を講じないのです(京マチ子よりは上品差がある人間に設定)。 その二人の衝突を観るだけでも面白い。ここは役者を信頼しての脚本なんだと思います。 そして、関西最強オバサン・浪花千栄子に驚愕させられました。 (池袋・新文芸座) 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-08-30 14:44:51)
サーファローザ さんの 最近のクチコミ・感想
|