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《ネタバレ》 ソーシャル・ネットワークの脚本も務めたアーロン・ソーキンの力量もあってか、会話に勢いがある。
映像的にも、物語的にも地味だが、非常に面白いオトナの映画である。 大抵のスポーツ映画は感情が優先し、理論の入り込む余地はない。下手でエラーばっかりする選手を無根拠に使い続けたりする。しかし、本作は常に理論が優先する。勝つために必要な理論を打ち出し、それにそぐわない選手は容赦なく切る。選手が結果を出さなければいけない事と同様に彼も結果を出さなければ切られてしまう。大事な家族のためにも、職を失うわけにはいかないし、何より、自信の仕事を全うするために、勝つために最善の行動をとらなくてはならない。要するに本作は、スポーツ映画ではなく、お仕事映画なのである。 仕事においては、ひたすら強気を演じ、娘の前では心優しい問題のないパパを演じる。人のいない所では、でない結果に怯えたり、過去の失敗をひきずったりする。とても、ビリーは人間的な人間である。だからこそ、彼の仕事の仕方が冷酷に見えても、一概に間違っていると思えないのである。そして、ある時期を境に彼は選手たちとコミュニケーションをとりめ、意図を伝え、選手に指示を出す。それが当初からの計算通りなのか分からないが、結果として、その描写以降、勝ち始める。 やはり、理論が優先するとは言え、完全に感情を無視して成功すると言う描き方を避けたのかな、とも思える重要なシーンであったと思える。 実話ベースの物語であったから、しょうがないのかもしれないけど、個人的には後日談のテロップは余計に感じた。 最終的に彼がどんな決断をしたか、各自で想像の余地を残してほしかった。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-07-29 02:30:12)(良:2票)
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