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《ネタバレ》 クライマックスの妥協が作品として致命的な欠陥になってしまっていて、傑作になりそこねた作品。主人公二人が互いに刺激を受け合いながら、織りなされる物語はベタでありながら、非常に熱い。中盤のトレーニングシーンで、メキメキ成長していく一ノ瀬くんの姿を観ているとなんだか涙が出そうになった。
しかし、日本で「ワイヤーなし」「CGなし」「1カット」ですさまじいシーンを撮ろうとする映画監督が、もともとの役者に逃げられ、本城に白羽の矢を立てる。ここまでの展開も完全に予想通りでしかないんだけど、物語の積み重ねも丁寧なので、出演を決意するまでの流れもまたグっとくるものがある。スクリーンのこちら側ではクライマックスシーンへの期待値がドンドン上がるわけだ。 どこまでマジモンのアクションを見せてくれるのか、と。で、蓋を開けてみたら 興ざめ!!!! の一言。 まず、一番大事な落下シーンがめっちゃ不自然なCG。そこは見せ方でなんとかならなかったのか。そこからのアクション(殺陣)はカッコいいし、松方さんも素敵だし、熱いんだけど、そのシーンのガッカリ感を引きずってみてしまったので、ほんとうに残念。火矢をバシバシ撃たれたりもするんだけど、これもヘタクソなCG。炎上するお城もCG。 極めつけは、あからさまなワイヤーで敵が吹っ飛んでいく。なんなんだコレは。 監督の言ってることと間逆な撮り方をして、結局、監督はほとんどのシーンで妥協しちゃいましたっていうオチだったのか?感動を呼ぶ熱いアクションをしてる唐沢さんや、大勢の役者に失礼じゃないか、こういう撮り方は。 こんな誤魔化しは絶対ダメ。 できないなら、こんなハードルのあげ方は最初からすべきでなかった。仕事に命をかけることが素晴らしいみたいな精神論よりも「アクションは1人ではできない」というメッセージを活かし、今までともに仕事をしてきた仲間たちが、一見不可能な演出を本物に見せるべく知恵や技術を振り絞るような流れでラストに向かえば良かったのに。ああ、勿体ない。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 6点(2015-04-10 01:27:18)
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