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《ネタバレ》 パート1では、高校生マーティが悪者に襲われ、緊急避難的に1985年から1955年へタイム・トラベルする。そこで偶然出会った父親(将来の)に意図せず干渉してしまい、父と母がつきあう機会が失われ、自分が生まれない未来に改変されてしまう。それを何とか元に戻そうとする話で、マーティと発明家ドクとの友情、エイリアンのネタ、チャックベリー小ネタ、落雷を利用して未来に戻る方法等、アイデアが洗練されていて夢がある。爽快感があるのだ。残念なのは「歴史に干渉してはいけない」といいながら、改変してしまっているところ。マーティの父親は成功者になったし、発明家ドクは射殺を免れる。願わくば歴史改変はドクが死を逃れるだけにしてほしい。そしてマーティは今回の経験から自信をつけ、音楽の才能を開花させるという方向にすれば座りがよくなったと思う。パート2は退屈だ。未来のスポーツ年鑑を持ち帰って、ギャンブルで金儲けをする話で、俗っぽく、夢がない。ほとんどがマーティと不良のビフとの喧嘩場面といってよく、飽きてしまう。腕力のビフに対して、頭脳で対抗するのが本来の姿であるはず。老人のビフが初めてみたタイムマシンの操作ができるなど無理があるし、マーティの恋人はただ寝ているだけの存在だ。パート3は、ドクの恋という意外性のある話で、脚本に破綻はない。タイムマシンが壊れて途方にくれたとき、70年間郵便局に留置の手紙が届くなど出色のアイデアだ。最後の未来へ脱出する疾走機関車の場面での怒涛の盛り上がりも見事だ。マーティは「腰抜け」と呼ばれると、熱くなって、自分を失ってしまう短気な性格だったが、その欠点を克服して、大人に成長する。ドクは科学一辺倒の変人で、恋とは無縁だったが、意中の相手に出会うと、てもなく「恋する男」に変身してしまう。とても人間味にあふれ、愛すべき人物だ。こういった軽いノリと、コミカルな雰囲気が本シリーズを「愛と夢にあふれるファンタジー」にする下地となっている。パート2の失速が重ね重ね残念だ。
【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-11-21 03:32:55)
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