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《ネタバレ》 娼婦という忌まわしい過去をもつ女が、不用意な一言により正体がばれ、殺人犯となる。新婚の妻が、夫の過去を調べてゆく中で、連続殺人が起り、犯人の過去が明らかになるプロットは魅力的。回想場面が頻繁に挿入されて見づらい。娼婦時代の哀切さが伝わってこない。
【妻の推理】 妻は、夫が巡査であったことと義兄と旅館で会っていたパンパン風の女の連想から、英語の上手な丸越会社の受付係久子を訪ねる。二人一目会っただけで、会話もしておらず、推理が飛躍している。 【成りすまし】 鵜原はどうして曽根に成りすましたのか?久子との恋の成り染めが、立川での巡査時代に知り合った元娼婦との北陸での再会だとすると、久子も鵜原を知っていた筈。譲って鵜原だけが相手を知っていたとして、どうして偽名を名乗る必要があるのか?相手が元娼婦だからといってそこまで用意周到になるだろうか。のみならず鵜原は、丸越会社社長夫人佐和子の計らいで煉瓦会社の架空社員の身分にまでなっていた。一介の営業マンが重要取引先の社長夫婦にそんなことを頼めるだろうか?頼めたとして、社長の関与なしに佐和子の一存だけでそのよう計らいが可能だろうか?架空社員といっても、死後に退職手当も払われていることから、給与も支払われていた。加えて、鵜原が実際に勤めていた会社は鵜原の住所を1年半に渡って知らなかったという。いくら時代が古いからといってでたらめすぎる。 【宗太郎殺し】 鵜原の兄宗太郎は初対面の久子(実は佐和子)と旅館で会う。宗太郎が鵜原から佐和子のことを聞いていたのなら、もっと早くに佐和子に電話連絡をする筈。宗太郎は久子の事を名前程度しか知らなかった。佐和子は何も知らないで押し通せば良いのに。又佐和子はどうして毒入りウイスキーを用意していたのか?宗太郎が誰にも知られずに内緒で久子と会うことをどうして知ったのか? 【その他疑問点】 ◆鵜原はどうして2葉の写真を所持していたのか?久子の家はともかく、佐和子の家はどうして?佐和子の正体は死ぬ直前まで知らなかった筈なのに。 ◆殺人動機は、佐和子が自分の幸福な暮らしを守ろうとした事だが、あの社長じいさんとの暮らしが幸せとは思えない。うらやましいどころか、かわいそうに思える。 ◆青酸カリの出所は? ◆ラストの謎解きパートが間延びし、佐和子の死ぬ場面が無い。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-07-29 17:03:58)
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