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《ネタバレ》 終始愁いに満ちたムードに包まれている映画。主人公ベンはある計画を立てている。友人や弟を巻き込みながらそれを進めていくのだが、観客にはそれが何の計画なのかラストの場面になるまでわからない。これが観客に一貫した緊張感をもたらし、飽きさせない。導入部でラストの一部を見せるのもうまい演出だ。美しいハブクラゲを使った自殺方法も印象的だ。
一方ネタ割れしてから振り返ってみるとどうだろうか。ベンは不注意から自動車事故を起こし、最愛の妻を含めた7人を死亡に至らしめた。(本来なら交通刑務所のようなところに収監されているのだろうが、そこのところは無視しよう) 罪悪の観念から自殺願望に取り付かれてしまったが、お詫びのしるしに、自分の臓器を7人に提供しようと考える。弟に片肺、福祉児童課の女に肝臓、白血病らしき子供とアイスホッケーのコーチに骨盤移植をする。そして家を暴力夫におびえる母子にあげる。残るは検体。盲人に網膜を、心臓病患者に心臓をと考える。しかし誰に贈るかを決めるにはルールがあって、第一に性格のよい人、第二に困っていても自分から他人に助けを求めない人ということ。養護施設のオーナーはこのふるいに落とされ、殴られる始末。 心臓病患者のエミリー・ポーサとは打ち解け、恋仲になってゆく。だが、それで自殺の決意がゆるぐわけではなく、ポーサの延命時間が短いとわかると自殺を決行する。 迷惑をこうむったのは、後始末を頼まれた親友と、国税局のIDカードを無断使用された弟と、モーテルのオーナーだ。 一般に自殺志願者は他人のことなど考えない。ましてやストーカーまがいのことをしてまで、他人の身元調査などするエネルギーはない。そういう意味では特異のケースだ。 結論として自殺はよくない。検体のために自殺するなど愚の骨頂だろう。まねする人が出てきたら、誰が責任をとるのか。それに死んで奥さんに合わせる顔がないのでは? 【よしのぶ】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-02-27 19:46:17)(良:1票)
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