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《ネタバレ》 見所は兵士達と大暴れする怪物達との戦闘シーンであり、十分堪能できる。ただ動きが早すぎて目がついていけない場面が多いのは残念。緩急をつけるのがこつ。クリーチャーをじっくり観察できる静の部分は必要。メドゥーサとの戦いは合格点。蝙蝠怪物は飛び回りすぎ。◆ギリシア神話のペルセウス英雄譚が下敷き。神話にはないキャラが登場するが魅力に欠ける。怪物狩人の兄弟には期待したが、さほど活躍せず、途中リタイアして、最後で少し顔出し。もったいない。カリボスは説明不足。ペルセウスとその母を入れた棺桶を海に投げ入れたアクリシス王の落魄した成れの果で、ハデスにより力を得て復活するが、敵として弱すぎた。精霊ジンは、木炭の身体を持つ砂漠の魔術師らしいが、メドゥーサとの戦いで自爆して死ぬ?最終怪物クローケーンは中世の海の怪物。タコの形で描かれる。さほど大暴れしなかった。◆鑑賞後さほど痛快さが残らない原因。まず役者が役に合っていない。ペルセウスは半人半神で17歳くらいなのに、ごつい顔の五分狩り中年男が演じる違和感。半神としての品格がなく、兵士達と区別できないほど没個性。アンドロメダは絶世の美少女が演じるべき。神話では、母により神に勝る美貌と讃えられたのが奇禍の原因となるのだから。ペルセウスとの恋愛もないのは期待外れ。守護者イオも容姿凡庸で品格不足。◆次に兵士達の仲が良くないのが難点。儀仗兵と老兵ばかりとなじり、イオは邪魔者扱い、ペルセウスをも冷笑する。ペルセウスも独りよがりな行動が多い。「人間として戦うのが信念」と主張し、神の力を否定。観客は彼の人間性よりも英雄としての神性を期待しているのに。最終的には神の力を借りるので、信念が問われそうだ。異種混合、一致団結して神との闘いに向かう姿勢がないと、観客はついてこない。神相手なのに緊張感が足りない。三つ目にゼウスの優柔不断と自家撞着ぶり。人間への最後通牒の使者としてハデスを派遣し、最終怪物クローケーンを放ったのに、陰でペルセウスの味方をしている。そもそも人間の愛と尊敬が天上の神々の糧となり、人間の恐怖と苦痛がハデスの糧となる。つまり利害が一致しないのだから意見が一致するわけがない。それに人間の怒りを買ったのはゼウスの無慈悲さによるもの。煮え切らない神々に観客も混迷。あとペガサスは神話どおり、メドゥーサの首が飛んだときの血から生まれる白馬でよかったのでは?
【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-08-13 03:05:23)
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