猟奇的な彼女 の よしのぶ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > リ行
 > 猟奇的な彼女
 > よしのぶさんのレビュー
猟奇的な彼女 の よしのぶ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 猟奇的な彼女
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2003-01-25
ジャンルラブストーリー,コメディ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 テーマは「運命」。精妙な伏線で、2度鑑賞して初めてわかるシーンが多い。恋人と死別した彼女。命日の日に運命の木(彼と将来を語り合った木)で、悲しみから解き放ってと頼む。そして飲めない酒を痛飲。ゲロは心で一杯になった悲しみと苦しみの象徴。吐き出すことにより、運命の人とめぐり逢う。元彼とキョヌは親戚で容貌が似ており、最初から惹かれる。元彼はカフェではコーヒー、酒のつまみはつぶ貝と決まっていた。だからキョヌにも強要する。元彼とは高校生から付き合いで、100日記念にはバラをもらい、制服姿で一緒に踊ったりした日々。それをキョヌと追体験する。殴るのはキョヌが元彼とは違うと感じたとき。愛憎は表裏一体なのだ。また元彼にすまないという罪悪感があるから、ときどき涙を流す。いつまでも過去に留まり、現実が未来に感じる。それで書く脚本の主人公は未来からやってきて、過去の自分を救い出す。「夕立」の「生き埋め」は彼女の元彼と一緒に死にたかったという願望の表れ。水中にキョヌを落すのは、元彼が死んだのが水中だから。これも自殺願望の表れ。誕生日の脱獄犯のエピソードはもっとストレート。「俺が死ねば彼女も心を痛めるだろう」という男に、残された人の悲しみを知る彼女は涙で訴える。「本当に愛していたの?もっと愛を知るべきよ。もし知りたいのなら、生き続けなきゃ」キョヌの献身と優しさにも関わらず彼女の心は満たされない。限界を知った彼女は別れを決意し、運命の木の下のタイムカプセルに未来に託す。彼女は約束の時から1年経ってそこを訪れる。心はまだ癒されないのだ。だが老人から木の再生の話を聞いて心が開く。木は「彼女の過去」で、一度死んで再生されたのだ。再生した彼女はキョヌの手紙を読む。するとUFOが出現。UFOはタイムマシンで未来から運命の人を連れてくる。過去と決別するためにペンダントを水中に投げて、キョヌと再会。決して偶然ではない。キョヌも頑張った。彼女と出会い、悲しみを癒してあげたいと願い、ペンダントが元彼のものとわかってあげ、新恋人に彼女と付き合う10か条を聞かせ、彼女を悲しませたくないために運命の木を再生させた。その努力があったからこそ「偶然という橋がかかった」。死別という重い話をコメディで描いた脚本に脱帽。すべてが計算されており、無駄がない。
よしのぶさん [DVD(字幕)] 10点(2009-04-16 07:32:54)
よしのぶ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2015-02-198レビュー6.62点
2015-02-16死霊の盆踊り3レビュー0.76点
2015-02-11ゼロ・グラビティ9レビュー7.63点
2015-02-09パシフィック・リム10レビュー6.88点
2015-02-08エベレスト 若きクライマーの挑戦<TVM>5レビュー4.80点
2015-02-0717歳のカルテ7レビュー6.99点
2015-02-07噂の女7レビュー7.30点
2015-02-06華麗なる激情7レビュー6.00点
2015-02-06影の車6レビュー7.00点
2015-02-05第9地区8レビュー7.07点
猟奇的な彼女のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS