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地球の核の回転が停止した為に磁場が消失し、太陽風に曝されて人類は滅亡するというアイデアは目新しい。残念なのはその原因が人工地震装置だということ。原因不明でよかったのに。国家陰謀の要素を加えたことで焦点がぼけてしまった。◆人類滅亡の危機にしては、いろんな場面でシリアスさが足りない。特殊船の性能が漫画的だし、大統領も出てこないし、乗務員の家族との別れの場面もないし、船内でも些細なことで争っている。冒頭、男が突然死する場面があるが、演出がふざけている。そのままカメラがパンして、交差点の交通事故を映すが、肝心の事故場面は映らない。◆最大の矛盾は高エネルギー武器専門学者や政府首脳部が地震装置を使ったのが原因なのに、核の停止による地場異常を博士に指摘されるまで知らないということ。◆ハッカーをメンバーに入れるのは甚だ疑問。国家レベルのアクセス権限があるのだがら、専門家がやればよい。ハッカーがインタネットを管理するなんて噴飯もの。しかも64回も逮捕歴がある最低レベルハッカー。◆人類を救うための自己犠牲によるミニ・ヒューマンドラマが展開しますが、これがチープ。例えば「家族三人を守るため」の人の家族が描かれてない。子供の描いた父の絵と犠牲死だけ提示しても感動は生まれない。伏線が必要。そもそも死と隣り合わせの任務だというのに誰の家族も描かれていない。これで感動しろというのは無理がある。
・地球内部の映像化が売りだが、肩透かしの感がある。晶洞と落下するマグマがよかっただけで、あとは手抜きにしか見えない。スペースシャトルや崩壊するパリの街並等のCGは合格点。◆危機に次々と直面する展開は評価できる。が、どれも通り一遍の危機、解決でしかない。予定調和的すぎるのだ。驚かすものがほしい。原爆を連続爆破させる方法は良かった。あらかじめ船の機能、性能を説明していないのも減点材料。危機になってから、実はこうなのだといわれても、とってつけたようにしか感じない。◆乗務員の関係だが、不仲やしっくりしない上司と部下だったりするが、人類救済の任務の前にあっては不要だろう。あの任務中、中傷や仲たがいするのはそぐわない。シリアスさに欠けるところ。◆感心したのは船の超音波に鯨が寄ってくるという伏線。海底を進む場面で、さりげなくみせておいて、最後の救出の重要なキーとなる。見事。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-06-29 02:15:38)
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