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《ネタバレ》 全体を通してスリルや緊迫感が無いのが残念。自殺か、他殺か?誰かに嫌疑がかけられているのに、食べたり、飲んだり、「その話はあとでしましょう」とか、間合いが悪いのだ。推理が作家重松時子が死んでから四年も経ってからというのも同じ。命日に女性だけ集まって、「三日間飲んで、食べて、遊んで」という設定もリアリティに欠ける。一般の人でもそうだが、まして忙しい作家達なら、そんな悠長なことはできないだろう。芝居も魅せてはくれない。鈴木京香と原田美枝子を除けば、褒められた演技ではない。加藤登紀子はヒドイ。心理劇なのだから、感情が揺れ動きが画面から伝わってこなければ観客はついてゆけない。道具立ての洋館と料理にも不満足。誰もがあこがれるような豪華な洋館とおいしそうな料理で、観客を魅惑すべき。共に平凡で、安っぽい印象しか残りませんでした。ネタバレのあとでも疑問が残ります。①ミートソースの毒混入は誰がしたのか?たぶんえい子だが。②ミートソースの毒に何故すぐに気づいたのか?匂いはそんなにしないはず。③絵の裏に隠した尚子宛の手紙の謎が解明されていない。「あとは計画をよろしくお願い」の計画とは?後継者になること?④絵里子は携帯電話を持ってないと嘘をついた。だがいたずら電話をしたのは知人なので、隠す理由はない。⑤静子は時子の才能がもう無いことを知らしめるために、いじわるな小説を送り続けた。そんなことのためにわざわざそんなことをする人がいるだろうか?これこそミステリー。⑥五人が食事をしているときに時子が自殺したはずなのに、ラストシーンでは編集者えい子が出かけたときに自殺している。⑦冒頭ワープロにナレーションが入り、この映画が絵里子のドキュメンタリーの体裁を取っている。これは最後まで貫かれているのか?絵里子の知らないことまで描かれるが。⑧自殺の動機だが、書けなくなったら筆をおけばいいだけなので弱い。最後の作品は尚子が書いており、後継者もいる。男性であれば芸術至上主義者のように、あのようなことをする動機も考えられるが、女性では想像しにくい。不治の病で、余命が短いなどの設定があればよかった。「木曜日は好き」で始まる詩的文章やボードレールの引用などは雰囲気を盛り上げる効果があり、良かったと思います。
【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-10-19 14:29:27)
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