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《ネタバレ》 しんちゃん及び野原一家はここでは主役ではない。そこがいつも双璧として語られる「オトナ帝国」との決定的な違いだと思う。極端に言えば本作はしんちゃん一家がいなくても別の一本の作品として成立させる事が出来たように思う。(だからこそ実写化されたのかもしれない)「オジサン」の世界にただしんちゃんが絡んでいるだけ。みさえ、ひろしでさえ存在感なし。「しんちゃん映画を見ている」という気があまりしなかったし、特に後半以降はしんちゃんギャグもただとってつけたように思われ逆にわざとらしい感じする程だった。この2作を見て改めて思ったのは、監督はメインターゲットである子供達に「オトナ帝国」では子供達の両親の事や自分達も大人になるのだという事、本作では自分達の国日本の歴史的文化や「死」というものについて伝えたかったのかもしれない。もしそうなら本作のラストはちょっとあっさりし過ぎていたのではなかったか?そこがたぶん「これはしんちゃん映画だから」という限界だったのかもしれないがここまでやるならもっと深く掘り下げて欲しかったような気もした。本作の高評価は、最後に「オジサン」が死ぬ事と時代考証の精巧差にのみあるように思う。ただ、私はきっと見方を間違えたのかもしれない。「オトナ帝国」を先に見ていた上に本作のラストを知った上で見てしまったのだ。もしそうでなければ印象も感想もまったく違って、もっと単純に感動出来たかもしないと思うと感動しそこなった自分がクヤシイ。(蛇足ながら私は「オジサン」の最後は静かに目を閉じさせたかったし、その後うずくまるレンちゃんに声はいらなかったと思う。)
【チョッパー】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-10-07 13:45:09)
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