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《ネタバレ》 『ジュラシック・パーク』の原作者としても有名なマイケル・クライトンは映画監督・脚本家としても活動しましたが彼は生涯で四作しか監督していません。本作はその一本ですけど、個人的には本作がいちばん面白いと思っています。クライトンと同じく医師資格を持つロビン・クックのベストセラーが原作、学生時代に洋書屋に行ったらこのペーパーバックが山の様に積まれていたのを思い出します。医療がテーマですので、まさにクライトンの本領発揮という感じの病院内の描写がリアル。とくにジェヌヴィエーヴ・ビジョルドが解剖死体が詰め込まれた部屋に逃げ込むシークエンスは、さすがにゾワッときました。恋人役のマイケル・ダグラスは、病院内の政治的な動きや自身の立身にしか興味がない様な、いつもの脂ぎったキャラです。こいつが実は病院の闇勢力に取り込まれていて、ビジョルドを裏切っているんじゃないかと疑わせる演出は上手いですね。サスペンス映画としても、ハラハラドキドキ濃度は一級品じゃないでしょうか。でもラストで突然彼がヒーローになる展開だけは、なんか唐突過ぎて解せませんでした。因みに、クライトンが60年代に弟ダグラスと共著で小説を上梓していますが、その時に使ったペンネームは“マイケル・ダグラス”だったそうです、奇遇ですねえ。謎の研究所の目的はなんと臓器の競り売り、謎めいた看護婦の役目が競りのディーラーだったという展開は、笑えて来るほどシュールでした。疑問点としては、いくら大病院と言っても年間で10人以上も脳死昏睡者が発生したら世間でも大問題、そりゃ遺族が黙っちゃいないと思うんですけどね、医療過誤訴訟を山ほど抱えて病院が潰れちゃうのは間違いないでしょう。70年代はアメリカでもまだ医療過誤訴訟は流行ってなかったのかな?
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-10-12 21:18:47)
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