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《ネタバレ》 冒頭の長回しはあまりにも有名ですが、これってタイトル・ロール部分だけで時間にして三分半ぐらいと意外と短い。でもこの映画の撮影で特筆すべきなのは、この長回し部分も含めてアクション・シークエンス部分での画面手前や奥から動くいわば縦のカメラ・ワークの切れ味で、50年代でこれほど躍動感に満ちた映像を見せてくる映画は珍しいと思います。変なところもオーソン・ウェルズが監督ですから当然のごとくありまして、まずメキシコ人という設定のチャールトン・ヘストンがミンストレル・ショーまがいに顔を黒メイクしているところは違和感が半端ない。まあどうやったってヘストンはメキシコ人っぽくならないのですが、これはやり過ぎです。対するウェルズ演じる悪徳警部クインランですが、これはもうウェルズの怪演に眼が釘付けにされます。このストーリーはいわば元祖バッド・ルーテナントと呼ぶのがふさわしく、この警部の悪徳ぶりはかなりのレベルに達していました。マレーネ・ディートリッヒはいわばチョイ役出演という感じでしたが、画面に登場したときの存在感がこれまた半端ない。やはりチョイ役でザ・ザ・ガボールも顔出しているし、考えるとけっこう豪華なキャスティングじゃないでしょうか。冒頭の建設業者爆殺事件と本題のメキシコ・ギャングがどう関わるのか最後まで気にかかりましたが、ラストのオチは意表をつくまさにサプライズでございました。 フィルム・ノワールの傑作という評価が一般的ですが、ノワールといっても決してB級ではないってことは声を大にしておきたいです。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-14 23:32:22)
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