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《ネタバレ》 『ゴッドファーザー』の様なエモさの欠片もない、いわばアメリカ版実録マフィア映画の始祖とも言うべき存在かな。ジョセフ・バラキという米上院公聴会で初めてマフィア=コーザノストラの存在を証言した人物の映画化という訳ですが、はっきり言ってこの人マフィア歴は長いけど所詮下っ端に過ぎず、全米マフィア組織の上層部の様なことを知っていたわけじゃない。だけどこの証言によって闇に包まれていたマフィアの存在が周知となったという意義があったと言われています。 ストーリーは、刑務所でジェノヴェーゼ=リノ・ヴァンチェラに命を狙われるようになったバラキ=チャールズ・ブロンソンが、FBI捜査官に自分のマフィア歴を語るという構成で、大部分のパートがバラキの回想シーンとなります。これによってNYマフィアの歴史を判り易く伝えようとしますが、如何せんそんなに派手なアクションやドラマがあるわけじゃなくて平板というか退屈な展開となりました。同じマフィア構成員の告白をもとにした『グッドフェローズ』と比べれば、映画としての出来の違いが実感されます。あと、マフィア構成員だけじゃなく登場キャラがみなアメリカ人っぽくないと思ったら、実際にマフィアの妨害があってい大部分がイタリア人俳優を使ってローマで撮影されたそうです。まあ実際のところ、ジェノベーゼとバラキが獄死してようやく映画化出来たってくらいですからね。出番はブロンソンより遥かに少なかったけど、リノ・ヴァンチェラの存在感は圧倒的でした。この人はもう顔からしてマフィア顔ですから、怖いぐらいです。でも実際のジェノベーゼは大戦中にイタリアで逮捕されて強制送還されているのに、この映画では戦後麻薬ルートを確立させて悠々自適で帰国したようになっているのはどうしたことかな。まだ色々と忖度しないといけないことが多々あったのかもしれません。洋の東西を問わず、実録犯罪もの映画は難しいところがありますね。
【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2025-02-19 22:52:48)《新規》
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