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《ネタバレ》 対立組織に襲撃されて絶命した昔気質のヤクザ組長には二人の幼い息子がいた。成長して社会人となった二人は、兄はきちんとしたスーツ姿の勤め人風で、別居しているが年老いた母親に毎月けっこうな金額を渡している。広告会社に務める弟は自由奔放で無鉄砲、同居している母親には心配ばかりかけているがサラリーマン生活には物足りなさを感じている。18年前父親を襲撃した男が刑期を終えて謝罪に親子のもとを訪れてから、この兄弟の運命の歯車は狂いだしてゆく… 監督が鈴木清純ですから、お約束のヘンテコなカットや映像は当然のごとく散りばめられていますが、ストーリー自体は割とまともな現代的な任侠ものといった感じで『殺しの烙印』のような訳の分からなさは無かったといって良いでしょう。対照的な性格の兄弟は兄が小林旭、弟が高橋英樹という組み合わせです。この映画でもやっぱ小林旭のカッコよさと渋さは際立っています。キャラ設定は苦学してなんと東大を卒業したのになぜか暴力団傘下のナイトクラブの支配人、毎月お手当を渡して貰っている母親は彼が組織の準構成員みたいな存在なのは知りません。こんなキャラ設定には不自然さはありますが、まあ良しとしましょう。組織のトップは小沢栄太郎でいかにも悪そうで、監視役として付けられた秘書の松原智恵子は旭と恋人関係になっています。この松原智恵子が暗い影を持った女なんですが、その色っぽさと言ったらなかなかのものでした。弟の彼女は勝気な同僚のカメラ・ウーマン、この兄弟カップルは対照的になっているのがこのストーリーの特徴です。高橋英樹も旭には貫禄負けはしてますが、その元気いっぱいのはっちゃけぶりは観ていて愉しいです。「息子らにはヤクザの道に入らせるな」という父の遺言を破って弟は組を再建しようとするのですが、途中からその話は有耶無耶になって消えてしまうのが、ちょっとなんだかなあと思ってしまいました。このころの鈴木清純作品にはカラーとモノクロが混在していますが、カラー作品の色遣いの鮮やかさは作品の内容は別にしてもハッとさせるものがあります。
【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2025-03-04 22:58:12)《新規》
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