ロスト・ハイウェイ の hatomix さんのクチコミ・感想

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ロスト・ハイウェイ の hatomix さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ロスト・ハイウェイ
製作国,
上映時間134分
劇場公開日 1997-06-14
ジャンルドラマ,ミステリー
レビュー情報
《ネタバレ》 わかりにくい映画は減点ですが、監督はこの映画を「わかりにくい映画」に作ってないです。乱暴な言い方をすれば、男女の「よくある話」をリンチ流に映画化しただけというか。
現実の記憶以外に、ひとの頭の中には詰まっているもの。
夢の記憶、何かで観たイメージの断片、誰かに聞いて想像したこと、願望、妄想...これら非現実に属する事柄も、「ストーリーを語る上で有効」と思えば、当然の如くに現実と並列に映像化するのがリンチ監督です。
前半で、刑事にデジカメを持っているか訊かれて、主人公のフレッドがこう答えるシーンがあります。「I want to remember things in my own way.=自分の見たとおりに記憶しておきたい(から、デジカメはいらない)。」
この映画に描かれているのは、全編がこのクレイジーなサックス吹き、フレッドの世界観です。彼は自分がうすうす察知していることも、自分にとって好ましいことでなければ無視する。行動を起こすなんてとんでもない、察知したことさえ否定したい人間。
その類まれなる内向性のせいで、当然もやもやしていく感情を、ただサックスにぶつけて生きている。彼は深刻な性的不能に陥っていて、妻の浮気を疑っている。でも、気づいていることを自分自身にさえも言わない。そういうことが絶対にあってほしくないし、あるわけはないと信じ込もうとしている。非常に危険な男です。
この映画にはフェロモンとかエロとかセクシーとかいった軽いノリではない、ものすごく真剣で重苦しい、1人の女への男の愛(と呼んでいいのかどうか..)が描かれています。
解釈にはいろんなバージョンがあると思いますが、私の解釈はフレッドという男が、自分の女を殺したあとも自分の中でそのことを認めず、自分だけの妄想の中で、いろいろなバージョンで彼女を登場させ、愛していく。愛する彼女が(ヒロミ・ゴーの唄ではないですが)少女で娼婦でAV女優で金髪で黒髪で妖精で悪女で…イメクラですか?というほど妄想を広げます。そこでは、彼はもはや性的不能ではないし、むしろ精力旺盛な男(ロラント)の女になっている彼女を寝とる、スーペリアーな存在と化しています。フレッドのスイートかつ狂った妄想が終わりを告げそうな所で、映画はラストを迎えます。真実を認識したフレッドがどうなったか...刑務所でサックスを吹ければ、こんなことにはならなかったのかも。
hatomixさん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-06 02:06:46)
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投稿日付邦題コメント平均点
2010-04-14ハート・ロッカー0レビュー6.21点
2010-04-02ラブリーボーン5レビュー5.36点
2010-03-30コララインとボタンの魔女8レビュー6.74点
2010-03-30ワンダとダイヤと優しい奴ら9レビュー6.02点
2010-03-03Dr.パルナサスの鏡5レビュー5.64点
2010-03-03しあわせの隠れ場所7レビュー6.74点
2009-11-26イングロリアス・バスターズ6レビュー7.14点
2009-11-26マイケル・ジャクソン/THIS IS IT10レビュー7.39点
2009-05-06ロスト・ハイウェイ9レビュー6.63点
2009-05-04タッカー8レビュー7.12点
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