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《ネタバレ》 本作は劇場でも観たが、メイキングが観たくてDVD【スペシャルエディション】を購入した。メイキングを観ると改めてこの映画のすごさが分かる。俳優陣が「北野監督は演技について多くを語らない」と言って戸惑いをみせていたが、その通りだった(笑)。メイキングはほんの一部だとは思うが、ホント監督の俳優への指導はあっさりしてる。そして早い。失礼だが、「まぁ、いっか」みたいな感じ。それにして、それぞれのキャラクターにあれだけの個性を持たせるのだから恐れ入る。俳優の力はその通りだが、北野監督の感性と信頼がなし得たものだろう。椎名桔平、加瀬亮、三浦友和などそれぞれの俳優が新たな魅力をみせているが、自分は特にも北村総一朗を押したい。メイキングを観ると、スタンバイ中は穏やかでニコニコとしたいつもの笑顔を見せている北村だが、カメラが回りだすと笑顔が消え一気に恐怖の会長に変わる。あの鋭い目。歩き方や構え方。プロの役者とはこのことかと鳥肌がたった。どこかの署長役とは全く別人。暴力描写の部分が大きく話題になっている本作だが、ストーリーも十分面白い。ヤクザの世界を描いているとはいえ、「結局自分のことしか考えていない」「都合が悪くなれば人に任せて知らんぷり」「やばくなったら逃げる」といったプロットや登場人物たちは現代社会へのメタファーだ。上司を思い出して腹がたった。エンターテイメントに徹したという監督の意気込みは見事に成功したと思う。ただ、おしいと思う点は…あのエンディングのスローモーション。あそこはスコセッシばりの不意打ちで、ズバン!ズバン!と畳み掛けるようにやってほしかった。そして、小日向演じる片岡刑事の相棒。あの相棒が最後片岡を裏切ると思っていたが…読みが外れた…。。ラスト近くのカフェのシーンで、大友と片岡の会話を意味深に見つめるアップがあったから…。とにかく、みんな悪い奴らだった。メイキングの話ばかりですいません。
【テンパーる】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-08 00:10:27)(良:2票)
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