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《ネタバレ》 この映画、健さんが主演のように見えて実は、武田鉄矢が主演だと思った。本気の恋愛に臆病で、見栄や虚栄といった鎧で身を固め、極力傷つかないような遊び半分な恋をする。そんな男が旅で知り合った、不器用で無骨だけど愛に対して実直な男との交流を通して、最終的には本気で人を愛するようになる。武田鉄矢が演じた花田欽也の、まさに成長物語ですね。約30年振りに再視聴しましたが、当時とは比べものにならないくらい胸にグッときました。昔見た映画を、年をとってから改めて見直してみるのもなかなかいいものです。刑務所を出所してラーメン屋でビールを飲むシーン。もうねぇ、たまらんですよ。全身全霊で一杯のビールをすすっているその姿。このシーンだけでアカデミーもんです。あとね、ラストで黄色いハンカチが、さり気なく武田鉄矢の後方に見えるシーン。もうね、神がかってます。素晴らしすぎます。正直言って宣伝用のポスターでネタバレバレで、どうせハンカチあるんだから、ってそんな冷めた気持ちをあざ笑うかのようなこの演出。分かっていたのに、あんな風に見せられたらそりゃぁ感動せざる得ないですよ。と、そこまで感動しておいて水を差すようで申し訳ないが、一点だけ心に引っ掛かったことが。健さんが殺害してしまった男性に対する、明白な答えの提示がなされなかったこと。まぁそれをやってしまうとテーマの本筋からそれてしまう恐れがあるのは分かるが、渥美清との会話の中でもいいから、被害者への罪の意識を表現して欲しかったかな。くどくならない程度に。まぁそれでも結局はいい映画であることに変わりはない。出演者全員も文句なく素晴らしい!ほんと、見直して良かったです。
【Dream kerokero】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-07 08:05:17)
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