偉大なるマルグリット の ramo さんのクチコミ・感想

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偉大なるマルグリット の ramo さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 偉大なるマルグリット
製作国
上映時間129分
劇場公開日 2016-02-27
ジャンルドラマ,ラブストーリー
レビュー情報
《ネタバレ》 この話の基となった、実在した音痴なソプラノ歌手の歌声、以前レコードで聴いたことがあり、あの歌声で巻き起こる、ジャイアンのリサイタル的なコメディと思っていました。早々に、予想を上回る「夜の女王のアリア」に爆笑! 外れた音程に合わせて揺れる頭の羽根飾りが、まるで笑いに拍車を掛けているそうです。 でも笑ったのはここだけで、後は意外にも夫との愛を中心とした、切ないストーリーでした。

夫は浮気相手に「妻には女を感じない」と言い、妻の歌にはうんざり。サロンの音楽会にもわざと遅れて帰り、「大成功らしいね!」と褒めちぎりますが、その時の彼女のなんとも悲しそうな表情・・・。彼女は誰よりも、愛する夫に、好きなオペラを聴いてもらいたかったんですねー。

そしてとうとうリサイタルを開いてしまいます。ひどい歌に客は大笑い。戸惑う彼女・・・でも愛する夫が聴いてくれている・・・。すると、いつもの音痴じゃなくて、突然、めちゃ上手な歌声に生まれ変わります。おいおい、朝ドラ「あまちゃん」の薬師丸ひろ子じゃないんだから・・・とツッコミたくなった瞬間、血を吐いて倒れてしまいます。
勝手な想像ですが、ここは「歌が急に上手くなった」奇跡が起こったシーンを描いたのではなく、彼女の幸せいっぱいな心情を美しい歌で表現したシーンではないでしょうか? 実際の歌は、客にはせいぜい「相変わらずヘタだけど、あれっ?何かちょっと心に伝わるものがあるぞ」くらいだったのでは?

哀れにも彼女はその時から妄想と現実との区別がつかなくなり、入院。「治療」という名目で、録音した自身の歌を本人に聞かせようとします。しかし直前になって、夫は「そんなことをしたら彼女は・・・」とやめさせようとしますが・・・・。

そしてラスト。執事の思ってもみなかった行動に「えっ!?」と驚かされます。彼女が主役のオペラ「マルグリット」の幕はここで閉じられた、という意味でしょうか。他にもいろいろ解釈があるようですが、あまりあれこれ考えず、素直に観て、素直に感動することができれば、それがベストな解釈だと思います。
ramoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-16 20:22:26)
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