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《ネタバレ》 もったいぶるなぁ。事件が起きるまでおよそ1時間。・・・もったいぶるなぁ。
まあ、そのもったいぶりかたが嫌いではないです。 もしかすると、前半はラブロマンスみたいな雰囲気をあえて出したのかな。タイトルもThe Birdsだったから、まさかホラーとは思われないかもしれない。当時予備知識無しで映画館で見たひとたちは、さぞかし度肝を抜かれたことでしょう。そう、これは後の時代にDVDやらで簡単に鑑賞できるということを想定して撮られたものではないのです。当時リアルタイムで、予備知識なしで、何の心構えもなく油断した人たちをあっと驚かせるような、そんなエンターテイメントムービーの先駆けだったのでしょう。きっと。 つまりは、あの前半の甘ったるい恋愛パートは、ただのミスリードなのです。『愛の鳥』もミスリード。ああ、これは恋愛ものなんだと、観る人を油断させるための『愛の鳥』なんです。そこからあの惨劇。何も知らずに見ていたら・・・。 そもそも鳥が人を襲うようなパニックムービー自体が当時としてはかなり斬新だったのではないでしょうか。 CGがない時代に、この映像はいったいどうやって撮ったんだという映像が盛りだくさん。 今まで撮ったことがないであろうジャンルの映画を、この完成度で仕上げるのはまさに天才です。 今のように数多くの映画があふれている時代でもなかったでしょうから、お手本になるような映画も無かったんじゃないかな。 こーゆーパニック映画のパイオニアとして、この作品を世に送り出したヒッチコックの功績は極めて大きいと言えるでしょう。 ヒッチコックの映画のなかではこれが一番好きかもしれないなぁ。パニックものが好きという、個人的嗜好もありますが。 作品の出来自体は7.5点くらいなのですが、ヒッチコックの他作品との差別化を図る意味も込めて8点で。 面白かったです。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-09-05 02:19:26)(良:1票)
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