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《ネタバレ》 ドキュメンタリー形式のゾンビムービーってのが個人的に好きなので、どうしてもこの手の作品には点が甘くなってしまいます。もはや雰囲気だけでも楽しめてしまうからです。
それに、『走るゾンビ』が主流になっている昨今、『歩くゾンビ』はもはや希少価値が高い。久しぶりの『のろのろゾンビ』を見られて嬉しい。 彼らには哀愁があり趣があります。そして静か。これが良い。『走るゾンビ』は確かに脅威ですが、すぐに認識できてしまいます。それに対し、『のろのろゾンビ』はどこに潜んでいるかわからない恐怖を演出してくれます。 ロメロもそれがわかっているのか、『心臓病で死んだやつがいなくなっている。』というエピソードを入れています。グループのボスが『全員動くな。口を開くな』と警告します。耳をすませ、ゾンビの物音を拾おうとします。この何とも言えない空気感、緊張感というのは『走るゾンビ』では決して味わえないものです。 病院内で、いつの間にか点滴ゾンビが後ろに居たっていうのも、静かなるゾンビならではの演出。 ロメロ作品に共通する、『普通に死んだ人もゾンビになって復活する』という一方的な設定が、より終末感を感じさせます。その原因や理由は一切説明されず、ただ理不尽な事実がそこにあるだけ。これが良いですね。自殺を試みた女の子が静かにゾンビへと変貌を遂げるシーンは何よりのお気に入りです。この作品の演出は、のろのろゾンビの良さ、静かなるゾンビの良さってのを、特に強調している気がします。 唯一気にいらなかったのはジェイソンの行動。 ゾンビムービーはサバイバルムービーでもあります。『生存』を最優先に考えないサバイバルほど白けるものはありません。ジェイソン君にはおおいに反省してほしいものです。 それからこの作品を見ると、ドラマの『ウォーキングデッド』はロメロ作品の影響を強く受けていそうだと思った次第です。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-03-05 13:43:01)(良:1票)
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