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ロメロのゾンビはゆっくり歩く。『走るゾンビ』に比べれば、迫力はないかもしれません。
ですが、そんな『歩くゾンビ』特有の恐怖というものが必ず描かれてきました。今までのロメロ作品において、ゾンビは畏怖すべき対象であったのです。 この作品はどうでしょう。今までのロメロ作品とは明らかに何かが違う。この作品ではゾンビはただの記号であり、ただのシンボルであり、ただの消耗品になってしまいました。アイテムであり、オブジェであり、コメディ要員と化してしまいました。 今までのロメロ作品とは違い、本当に低レベルな個性もこだわりもないただのB級作品となってしまいました。 個人的にロメロ作品で好きだったのが、無秩序や狂気のなかに描かれる秩序と平穏。そして壊れ行く文明社会。この作品ではそれも描かれません。サバイバル要素だって全然ない。 人間を捕食する描写がある。だからかろうじてゾンビムービーである。退屈はしませんでした。ですがそれだけの映画です。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 5点(2020-08-24 23:58:08)
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