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《ネタバレ》 「ギルバートの本心はいったいどこにあるんでしょうか。」っていうのがまず最初の感想でした。ギルバートは家族に対し、いつも深い愛情があります。なのに、どこか無理をしている風にも見えるんです。
気のせいかと思っていました。ですが、話しが進むにつれ、予感は確信へと変わっていきます。太っている母親を子供に見せたり、「いい人になりたい」ともらしたり、不倫をしたり、アーニーを風呂場に放置してベッキーのもとへ行ってしまったり、アーニーを殴ってしまったり・・・。いつも家族を優先しているギルバートが、瞬間的に自分を優先する貴重なシーンです。 友人や家族から見れば、いつも家族のため、周りの人達のために身を粉にして働き生きているギルバートが彼らにとってのギルバート。だから彼が自分の気持ちを少しでも優先してしまうと、途端にギルバートには友人から家族から、非難の目が向けられるのです。「ギルバート、きれろ!怒れ!ふざけるなって言ってやれ。」って、ずっと思いながら見ていました。でもそれができないから、ギルバート・グレイプっていう映画がなりたつんでしょうね。 ただ、おそらくはギルバートと最も距離の近かったアーニー、そして唯一と言っていい部外者のベッキー。この二人だけは、ギルバートのすべてを愛しているように見えました。もちろん、ギルバートとその家族の姿は本当に家族らしい、ひとつの完成された家族だと思うんですよ。ですが、ベッキーとベッキーの祖母、そしてアーニーとギルバート。4人が一緒にいる姿は、それにもまして理想の家族の姿に見えたのです。なぜかっていうと、4人が一緒のときのギルバートの表情が一番穏やかに見えるんですよ。自然な自分。無理していない自分。 アーニーがギルバートに殴られちゃって家を飛び出したとき、ベッキーのところへいったのも、ベッキーがアーニーを川の中へ誘い入れたのも、アーニーを殴ったギルバートをベッキーが優しく包み込んだのも、全てが印象的でした。 ギルバートの家族たちは母親を含めてそれぞれの世界へ旅立ち、ギルバートはアーニーと共に新しい家族と再出発を始めるラストが最高に良かったです。 ただ、映画としては少々くどいかな・・。ラストは感動しましたし、共感もしますが、手放しに面白いと絶賛まではできないです・・。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-07-14 16:51:20)(良:1票)
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