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《ネタバレ》 おさんという一人の女のことを思う。人生の九割方を不憫に生きた人だなと思った。嫁ぎ先のみならず、実家の兄や母親ですら彼女の苦労を慮ってやらない連中ばかりだ。当時の風潮だからか「女は耐えるもの」と刷り込まれていたかのような おさん。けれど、自分を真に想ってくれた男の出現で、これまで眠っていた激情が人生の最後で噴出したかのよう。
疲弊するばかりの逃避行に一旦決着がついても、夫が(世間体の手前)許すと言っても、以前までの平穏だが理不尽な我慢人生を拒否して公開処刑へと突き進む彼女。その横顔たるや、うっすらと微笑みすら浮かべて凄絶ですらある。だんだんと瞳に狂気が宿ってゆく香川京子の演技は怖いほど。自らの人生に復讐をしているようにも思えた。 【tottoko】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-08-03 00:25:21)(良:2票)
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