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《ネタバレ》 祖母の死をきっかけに理屈では説明できないような悲劇に次々と襲われる、ある一家の恐怖を描いたモダン・ホラー。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、これがまぁ近年稀に見るいやぁぁぁ~~~~~なお話でしたね。冒頭のミニチュアハウスの一室へとカメラがクローズアップしてゆき、そのまま普通の部屋となって家族が登場するというシーンからもう不穏な空気が漂っています。そうして始まる祖母の葬儀。この家族、娘である夫婦もその子供である孫たちもみな何処かおかしいんですよ。特にずっと不機嫌な顔をした孫の女の子!言っちゃ悪いけど、よくこんな気持ち悪い子供を見つけてきましたね(笑)。この子がグロテスクな絵を描いたりおかしな言動を繰り返したり、挙句、死んだハトの首をハサミで切り落とすシーンを見て、「あ、なるほど。この子が悪魔か何かに取り憑かれてて、これからいろいろと暴れまわるわけね」と思ったら、まさかの兄貴による首チョンバ(笑)。そのまま兄貴は現実逃避でベッドにふて寝、母親狂気の大ヒステリー、とどめは道に転がる蠅だらけの女の子の首……。いやー、この映画、観る者の予想をバシバシ裏切ってきますわ~。そのままテンションを一ミリたりとも落とすことなく、映画はどんどんと恐怖のどん底へと突っ走ってゆきます。特にヒステリックな狂気へとただただ暴走する母親の怖いこと、怖いこと。娘の首チョンバシーンをミニチュアで再現するなんて悪趣味以外の何者でもありませんわ。唯一まともだったお父ちゃんがもう不憫すぎます。最後はちょっとオカルトに流れすぎちゃった感がなきにしもあらずだけど、僕は充分大満足。久々にこんな禍々しい映画と出会ってしまいましたわ。監督は、本作が長編デビュー作となるアリ・アスター。うん、今から次作を楽しみにしとこっと。
【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-07-09 22:41:39)
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