喜望峰の風に乗せて の かたゆき さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > キ行
 > 喜望峰の風に乗せて
 > かたゆきさんのレビュー
喜望峰の風に乗せて の かたゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 喜望峰の風に乗せて
製作国
上映時間101分
劇場公開日 2019-01-11
ジャンルドラマ,アドベンチャー,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 1960年代、イギリスで開催された単独無寄港での世界一周ヨットレース「ゴールデン・グローブ・レース」。このプロでも尻込みするような過酷なレースに、素人ながら無謀にもチャレンジしたある一人の男がいた。彼の名は、ドナルド・クロ―ハースト。ヨットのセールスマンでもあった彼が、自社の宣伝のためにこのゴールまで何百日もかかる危険なレースに名乗りを挙げたのだ。本作は、そんな彼の無謀とも言える挑戦を実話を基に描いた冒険ドラマだ。監督は前作『博士と彼女のセオリー』でスマッシュヒットを飛ばしたジェームズ・マーシュ。たった独り大海原へと繰り出し、時に精神を病みながらも冒険を続ける主人公を演じるのは人気俳優コリン・ファース。他に、主人公を献身的に支える妻をレイチェル・ワイズが演じております。端的に述べさせてもらうと、このドナルドという男は単なる目立ちたがりの大バカ者ですね。碌に準備も出来ていないのに、自らの大言壮語を撤回することも出来ず、ずるずると引き返せなくなって仕方なくスタートを切ったものの、やはりすぐに過酷な目に遭っちゃって早くも心が折れそうに。でも、大借金をしてまで繰り出してきたし、自分の子供たちにも大見えを切った手前、引き返すことも出来ず、挙句の果てに最後は……。正直、自業自得というほかありません。現代で言うと、視聴回数を稼ぐために危険な動画を投稿していたユーチューバーが最後は最悪の事態になっちゃったようなもんです。と、現代のイカロスとも呼ぶべきこの男の無謀な挑戦をあくまで客観的に描くという本作のテーマは分からないでもないのですが、若干掘り下げが足らない印象。このドナルドという男の狂気性や遺された家族の葛藤や哀しみをもっと踏み込んで描いていれば、より完成度の高い作品になっていたと思うのですが、そこらへんがどうにも甘い。ただ、大海原を優雅に泳ぐクジラやイルカ、容赦なく襲い来る過酷な嵐など、そのダイナミックな自然描写はさすがにBBCが絡んでるだけあってなかなかの迫力でした。また、単調になりそうな主人公の孤独な航海も回想シーンや遺された家族の描写をうまく挟むことで最後まで普通に見ていられます。それだけにテーマ性という点でなんとも惜しい作品でありました。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 6点(2019-10-28 01:03:00)
かたゆき さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-03-23ベネデッタ8レビュー6.50点
2024-03-11マッドゴッド7レビュー6.50点
2024-03-09ヴィーガンズ・ハム6レビュー6.00点
2024-03-07炎のデス・ポリス5レビュー5.25点
2024-03-07マッシブ・タレント7レビュー7.00点
2024-03-01子宮に沈める4レビュー6.66点
2024-02-23ノック 終末の訪問者4レビュー4.50点
2024-02-07ボーンズ アンド オール8レビュー8.00点
2024-02-07ザリガニの鳴くところ6レビュー7.00点
2024-02-07ヒトラーのための虐殺会議〈TVM〉8レビュー7.20点
喜望峰の風に乗せてのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS