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レビュー情報
テンペストを土台にして宇宙空間をヴィジュアル化し、人間の深層心理を描いたSF映画の金字塔。白黒SFが中心の時代に、哲学的な内容を含んだ奥深い構想力でカラー映像を製作したことは高く評価できる。ロボット・ロビーの登場は画期的で、その後のフライデー等を経て現代まで脈々と受け継がれる、言わばゆるキャラの先駆者といえる。ハニー・ウエストを演じる前のA・フランシスがキュートな魅力全開。惑星に生き残った博士の潜在意識が生んだ“イドの怪物”のアニメ処理はご愛嬌で、獣性はあるものの全然怖くない。が、自然界では恐ろしい風貌の動物ほど弱い小さな生物であることが多く、怖い姿形は身を守るためということもある。「本当に怖いものは優しい顔をしてやってくる」というくらいだから、案外これでいいのかも。その正体は示唆に富んでおり、現代に目を転じれば、いわゆる「神の見えざる手」の世界にも、まるでイドの怪物が棲んでいるかのような強欲が存在する。
【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2015-10-11 20:29:05)(良:2票)
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