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《ネタバレ》 「朝日座」の、ひなびた映画館の佇まいは、昭和平成令和を駆け抜けた歴史 (の重み) を感じさせるものがあり、3.11の大震災やコロナ禍を生き抜いた静かな力強さもある。その雰囲気はシネコンの映画館では到底出せないもので、私としても昔に観た懐かしい映画 (の数々) を、しみじみと思い出させていただいた。 全体的に悪くはなかったが、どうしても腑に落ちない展開が一つある。それは、一度は土地開発業者に買収?された町内の人たちが、またどうして、身銭を寄付してまで映画館を助けようという気になったのか? その描写を完全スルーしたばかりに、せっかくの「素晴らしき哉、人生!」のごとく大団円 (の感動) が薄味になってしまった。彼らの「心変わり」こそ、私が見たかった感動だったように思えるのだが。 話変わって、田中センセイのお部屋に、「パリ、テキサス」のポスターが (置いて) ありました。きっと、そのポスターは、以前は部屋に貼ってあったのだろう。彼女はかつて、ジェーン (ナスターシャ・キンスキー) の生き方を夢見ていた。しかし、ジェーンのような生き方はできないことを知り (当然だ) 、彼女はポスターをそっと床に置いた・・。どうしても捨てられないのは、大切な思い出がつまっているから? こういう、意味深な小道具の使い方は好きだし、決してどうでも良くはなく、意外と心に引っかかってしまうね。
【タケノコ】さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-03-27 22:29:07)(良:1票)
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