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《ネタバレ》 J・ニコルソンが「普通の中年」になりきっていて、カッコーもシャイニングも、一度だってちらつかせないところはさすが。 (顔も体型も当時の面影ないから当たり前、とは言わないで (笑) ) 映画としては、各人のスピーチがよいアクセントになっています。冒頭にある、後任のクソ面白くないスピーチと友人の白々しいスピーチ。彼らの心がこもっていないスピーチが伏線的にあるからこそ、最後のJ・ニコルソンのスピーチが心に強く響きます。 (個人的には結婚式のスピーチは半分アドリブと思っています) "ドア" や "時計" といった小道具の使い方も効果的でした。会社を去るとき、家に帰るとき。誰かを迎えるとき、誰かに迎えられるとき。それぞれ、ドアが開くことによって目まぐるしく展開 (人生) は変わり、時計の秒針をさり気なく映すことによって、彼の人生に関係なく時は過ぎ行くことを印象付けています。気になった点。娘婿の家族たちのキャラがよくわからないのは仕方ないとしても、娘と旦那の馴れ初めくらいは会話の中でほしいところ。ベッドに横たわるJ・ニコルソンにキャシー・ベイツの姿は、まるでミザリーのようで笑えるが、おっぱいはいらない。最後、多くを失った彼の心を浄化したのは、家族でも同僚でもなく、皮肉にもはるか遠く顔も知らないアフリカの子、そして彼が書いた絵ということ。ここまできてやっと、"About Schmidt" という題名を不意に思い出して、家族とは一体なんだろう? と僕は考えてしまいます。
【タケノコ】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-06-25 00:04:51)
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