モロッコ の バーグマンの瞳 さんのクチコミ・感想

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モロッコ の バーグマンの瞳 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 モロッコ
製作国
上映時間92分
劇場公開日 1931-02-25
ジャンルドラマ,ラブストーリー,モノクロ映画,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 もしも役者のタイプというものを大まかに①演技力がなくてオーラもない。②演技力はあるがオーラがない。③演技力はないがオーラがある。④演技力があってオーラもある。という4つに分けるとしたら、普通の役者さんというのは①→②→④の過程を経て成長していくものだと思うのですが、このクーパーという人は「いきなり③の状態でデビューして、しかもその後も生涯を通じて③のままの自分を貫き通した」という豪傑タイプの人だったのだと思います。ジョン・ウェインのように①→③の順に「成長した」のではなく、あくまでも最初から一貫して③だったというのが面白い人です。こんな人がひょっこり出てきたのは単に時代のせいでしょうか。あるいは、ズバ抜けたハンサムであるという条件と、デビューが遅かったという条件とが重なった事により、「俺は演技なんて知らない。だが長いモテモテ人生のおかげで女性のハートのつかみ方だけは経験で分かってるんだぜ~!」というような状態だったからでしょうか。ま、ともかくこの稀有の役者さんの特性が結果的に上手く生きたなと思えるシーンがあります。ディートリッヒからこっそり貰ったカギでクーパーがディートリッヒの部屋を訪れるシーン。ここのシーンでは、二人が腹の探りあいを兼ねた「カッコつけ合戦」ともいえるやり取りを交わすのですが、徐々にクーパーの方が、「む、これは相手の方が一枚上手だったか」というような感じで押され気味になり、終いには「いや、あんたにはまいったよ」という感じで一時退散してしまうことになるのですが、これが「オーラというハッタリのおかげで、ディートリッヒになんとか上辺だけは対抗して見せるが、全体としては、演技学校に通った事もあるディートリッヒの圧倒的存在感とのレベルの違いを見せつけられて、まるで子ども扱いされてしまう」という具合に、二人の役者としてのテクニックの差とシーンの内容とが上手くシンクロしてとても面白く観ることが出来るんです。スタンバーグがこのような効果をどこまで「意図的に狙って」作ったのかは私にはわかりません。例え結果的にだとしても、この二人による他の映画ではちょっと例がないと~ってもヘンテコな空気感は凄く面白い、貴重だ、ナイスだと私は思うのですが、どうでしょうか。確かに変わった映画で、万人に(特に若い人に)オススメ出来る映画ではありませんが、私はすっごく好きです。8点です。
バーグマンの瞳さん [地上波(字幕)] 8点(2013-10-01 21:26:16)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-01-07君の名は。(2016)7レビュー6.97点
2017-07-07アナと雪の女王5レビュー6.66点
2017-04-08おおかみこどもの雨と雪3レビュー6.40点
2017-04-08トップをねらえ!9レビュー6.00点
2015-07-30オペラ座の怪人(2004)7レビュー6.09点
2015-04-24タイピスト!6レビュー5.33点
2015-04-24シルバラード7レビュー6.63点
2015-04-24スクール・オブ・ロック5レビュー7.41点
2015-04-20ハリー・ポッターと賢者の石6レビュー5.52点
2015-03-22青い珊瑚礁(1980)8レビュー5.96点
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