いばらの王 -King of Thorn- の 53羽の孔雀 さんのクチコミ・感想

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いばらの王 -King of Thorn- の 53羽の孔雀 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 いばらの王 -King of Thorn-
製作国
劇場公開日 2010-05-01
ジャンルSF,アニメ,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  いわゆるところの「SF」のつもりで見ましたが、要素としてパニック+サバイバル(脱出)+ファンタジーが相当強い作品でした。よくある脱出系パニックものに「アニメだからこそできる」的な感じでファンタジーを入れ込んだという印象。周りがモンスターだらけの閉鎖された建物に突如放り出された皆さん、大多数が一瞬で死にそのうち数名が生き残るが、お馴染みの展開で1人、また1人と死に、それでも脱出を試みる、という感じ。メンバーは毎度お馴染み屈強な黒人、ヤンキー、頑固な爺さん、一癖ありそうなメガネ、ひ弱な女性、お子様。そして脱出と同時進行で「ああ、そういうことだったのね」とストーリー的な謎が徐々に解き明かされていく、という内容。

 以下ネタバレかもですが、「石化する病気が蔓延する」という設定自体は面白いのですが、リアリティーが皆無という表現がまさにそのとおり。露骨にファンタジーとして描かれている部分は「そりゃファンタジーだからね」ということになりますが、それ以外のシリアス系の部分、例えば世界レベルの原因不明の病なのにその対応策のコールドスリープの対象者が世界でたったの約160人であること、経緯の描写が無く一企業が当然のようにそれを実行すること、施設整備の不足、言語の壁のサラリとした突破、着衣のまましかも水中で停止する余裕すら見せる無限の潜水、呼吸が止まるほど溺れたのに次の瞬間何事も無かったかのように立ち直る回復力、渦に自ら飲み込まれ余裕で浮上してくるメンバー、しかもその直後に体力全快かと思わせるような動きを見せる皆さん、イバラの壁に吹っ飛ばされても無傷な強靭な肉体、等々・・・。原作未読のため、本当はもっと読者を納得させるような詳細な描写があったのかもしれませんが、映画で見た感じではやはり不自然さが拭えませんでした。

 本作の作り的に、ミスリードを誘発させる、とまではいかないが、時系列や登場人物の動機、システムや設定が何とな~くぼやけたままの発言・進行のため、全体が把握しづらく若干わかりにくい感があり、ヘタすると置いてきぼりをくらいます。良くも悪くも「何とでも言える」。とは言いつつも一応退屈はせず見れました。
53羽の孔雀さん [DVD(邦画)] 6点(2018-02-19 04:49:34)
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