隠し剣 鬼の爪 の アラジン2014 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > 隠し剣 鬼の爪
 > アラジン2014さんのレビュー
隠し剣 鬼の爪 の アラジン2014 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 隠し剣 鬼の爪
製作国
上映時間131分
劇場公開日 2004-10-30
ジャンルドラマ,時代劇,小説の映画化
レビュー情報
本作も十分に面白い映画ではありますが、同じ監督作品とは思えないくらいに「たそがれ清兵衛」の完成度が高すぎました。本作は脚本の練り方も「たそがれ」ほど時間をかけていないようで、かなり無理な設定や話運びが目立ちます。また比較するのは酷ですが「たそがれ」の眞田広之×宮沢りえ×田中泯の完璧布陣と比較してしまうと、どうしても役者の格の違いを感じずにはいられません。例えるならば「たそがれ」=世界基準、「鬼の爪」=邦画基準、「武士の一分」=昼ドラ基準といったところでしょうか。

ただし、鬼の爪を使うラストのワンカットはやたらとカッコいい。このワンカットを見る為だけにこの映画を手に取っても間違いではないでしょう。でも実のところ友を斬るために教わった「実用的な立ち回り」と、「秘伝 鬼の爪」はどちらも結構ショボい技で、姑息は言い過ぎにしても極めて侍の精神に反する戦い方であったといわざるを得ません。また小澤征悦扮する(狭間弥市郎)の妻、高島礼子のエピソードが無駄に主張していて浮いているように感じました。そもそもこのシーケンスは本筋上は無理に入れなくても問題無いエピソードで、ちょっと盛り込み過ぎてしまった感じさえ受けます。(結局のところ高島礼子自体がミスキャストではなかったか?)

あと、この作品を邦画レベルに落としてしまった最大の汚点は、松たか子扮する(きえ)とのぬるい恋愛模様でしょう。(本作においては)悪い意味で山田洋次監督らしい癖がここで出てしまいました。藤沢周平原作の映画化なのでここはグッと辛抱して、表情だけで心情が判る物悲しい描写もしくは清々しい描写を期待したかったところですが、ベタな少女趣味の流れになってしまいました。しかしこの部分を否定してしまうと本作を全否定したことにも繋がりかねず、なかなか難しいバランス感覚ではあります。まあ結局のところ「たそがれ清兵衛」が良すぎただけなのかもしれません。松たか子の愛らしさに免じて少し甘い評価で。
アラジン2014さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-10-20 16:40:09)
アラジン2014 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-01-26フィラデルフィア6レビュー6.59点
ザ・レポート6レビュー6.33点
2025-01-20ミスター・ガラス6レビュー5.84点
2025-01-17ザ・クリエイター/創造者7レビュー6.00点
2025-01-13フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白5レビュー6.67点
2025-01-13ラストエンペラー7レビュー7.25点
2025-01-07オッペンハイマー6レビュー6.38点
2024-11-21FALL/フォール7レビュー6.00点
2024-11-19エレファント・マン9レビュー7.42点
2024-11-15巴里の女性9レビュー7.10点
隠し剣 鬼の爪のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS