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レビュー情報
古さを感じさせない完成度の高い映画です。今となってはこの手のクライム系作品の手本といわれるほど評価されています。ロードショー当時はパチーノ&デニーロの夢の初競演と話題になりましたが、いつまでたっても同じ画面に映らず「本当は別撮りなんじゃないか?」とまでいわれた映画でした。(結局レストランのシーンだけだとガッカリしましたが、今思えばこれで正解だった)
個人的にはパチーノとデニーロの役柄が反対なんじゃないか?と、思っていましたがこれも私が間違っていました。特に抑えたデニーロと弾けたパチーノの対比がメリハリを生む演出になっていて、物語に緩急がつく形になっています。(パチーノ役は演技力の無い人がやると退屈するか鬱陶しい奴になりそう) 171分と長い映画ですが、主要人物の私生活まで丁寧に描かれているので飽きさせません。反面、サイドストーリーが多く話が散漫になりがちですが、クリス(ヴァル・キルマー)と妻のシャリーン(アシュレイ・ジャッド)のエピソードにニール(ロバート・デ・ニーロ)が絡む流れはなかなか面白いです。ヴァン・ザント(ウィリアム・フィクトナー)の一件、黒人シェフ、ドナルド(デニス・ヘイスバート)の一件なども非常に印象深く、全体的にサイドストーリーも魅力的で捨てがたいです。 ローレン(ナタリー・ポートマン)の自殺未遂の件は正直いらなかったかなと思いますが、自分に懐いていた義理の娘の一大事を差し置いてヘリで駆けつけるヴィンセント・ハナ警部補(アル・パチーノ)の非情な一面を見せるには必要だったのかもしれません。とにかく、これら大量のサイドストーリーのおかげで白昼13分にもおよぶ大銃撃戦からラストまでのギリギリの攻防は感情移入がハンパない仕上りになっています。 全ての登場人物がつまらない意地と大きなプライドを持っていて、結末はある程度予見できますが、破滅に向かうロマンというものがあると感じさせる渋いラストです。男なら胸が熱くなる映画でしょう。素晴らしい作品でした。(※余談ですが、後に実生活で逮捕されたウェイングロー役のケヴィン・ゲイジは獄中でもウェイングローと呼ばれていたそうです。。劇中6分しか出演していないのに凄い印象を残していますね) 【アラジン2014】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-04-08 13:48:00)
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