ゴジラ-1.0 の せんべい さんのクチコミ・感想

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ゴジラ-1.0 の せんべい さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ゴジラ-1.0
製作国
上映時間125分
劇場公開日 2023-11-03
ジャンルSF,戦争もの,シリーズもの,パニックもの,特撮もの,モンスター映画
レビュー情報
《ネタバレ》  コロナ禍以来、元々身体が弱いだけでなく、基礎疾患のある身内と暮らしているため、映画館に足を運ぶのをためらっていたら、【シン・ウルトラマン:2022年】も【シン・仮面ライダー:2023年】も見損ねてしまい…しかし【シン・ゴジラ:2016年】を当サイトに投稿していたともあり、当作品は、意を決して映画館で観ました。GW前の4月中旬、夕方の上映であり、予想通り、お客さんの数は少なくて一安心。ただ、その後【ゴジラ:1954年‐以下、オリジナル版と表記します】のDVDをレンタル・鑑賞してから投稿したので、随分、遅くなってしまいました…

 まず、ドラマについては、私も“山崎節”全開で「ちょっとくどいかな」という印象は否めなかったものの…【一見するとゴジラらしからぬ物語だが、台詞がストレートで演出も“お約束”に則っており、わかりやすい】【主役や脇役に、NHKの朝ドラや大河ドラマに出演経験のある役者が揃っている】という要素は、ひょっとすると、これまでゴジラ映画に興味が無い、或いは、子供向けと敬遠していた人達を引き込む、言い換えれば、鑑賞者の“裾野を広げる可能性”がある作品ではないか…という印象を受けました。それこそ、近い将来、地上波で放送されたとき「なんか面白い番組やってないかな…」とチャンネルを回した人が、途中から当作品を観て「あっ神木隆之介君と浜辺美波ちゃんだ。終戦後間もない頃を舞台にしたドラマなのかな。らんまんの朝ドラコンビ、息もピッタリでいい味を出してるねぇ…え?これってゴジラ映画なの?!“普通”に観られるじゃないか」といった反響があればな…と思ったりしています。もっとも、もし本当にそのような反響があった場合、「そういう方々のおっしゃる“普通”ってどうなの?怪獣映画への偏ったイメージの裏返しでは?」という気持ちがわいてきちゃいそうですが…。
 また、アメリカでも広く受け入れられたのは、【オッペンハイマー:2023年】との兼ね合いは、勿論あるでしょう。ただし、もしかすると「自分だけが生き残ってしまった…」といった自問自答で苦しむ主人公の姿が、ベトナム戦争や湾岸戦争等に従軍したアメリカ帰還兵の方々の負った心の傷と通じるものがあり、共感を得たのでは…とも思ったりしております。
 
 次に、音楽については、皆様のおっしゃる通り、伊福部サウンドが流れると「これこそゴジラ映画だ!」と私もワクワクさせられました。特に今回は【モスラ対ゴジラ:1964年】のメロディーが効果的に使われており、波のような音楽のリズムと、海を舞台にした場面とが、見事にシンクロしている印象を受けました。

 最後に特殊撮影についてですが、私も山崎監督とは、ほぼ同年代であって【スターウォーズ】や【未知との遭遇】に新鮮さを感じた一人です。そして、あくまでも素人の立場ですが、特殊撮影に興味を持ち、その変遷を観てきた者として、アカデミー特殊効果賞の受賞には素直に「おめでとう」と言わせていただきます。
 ところで、アメリカ作品に比べ「製作費が15億円以下で低予算」が受賞の要因の一つらしいですが…「15億円」とは、日本映画としては大作の部類であろうし、それに私には一生稼げない金額でもあり、個人的には「低予算」とは言いたくないなぁ…。
 もし「低予算」と言うにしても、私は「金をかければいい」というものでもないと思っています。若い世代の方々にはピンとこないかもしれませんが、レイ・ハリーハウゼンという方が生み出した“ダイナメーション”と呼称される特殊撮影による作品群だって、けっして予算に恵まれたものではありませんでした。それにもかかわらず、それらの作品群は、ジョージ・ルーカス氏やジェームズ・キャメロン氏らに多大な影響を与え、それが少なからず現在のハリウッドの特殊撮影の隆盛にも…そのようなつながりを考えると、いずれ「日本のゴジラ-1.0に感激して、この道に入りました」というフィルムメーカーが現れる…かもしれません。

 さて、採点ですが…私のゴジラ映画の初見(TV放送)は【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年/怪獣大戦争:1965年)】という、思いっきり“娯楽路線”に入ってからの作品でしたが…【オリジナル版】に連なる“シリアス路線”の作品は、ゴジラ映画の原点として支持させていただきます。なお、正直、私も【ゴジラが再生する兆しが…/再会した典子に黒い痣が…】というラストは無くてもいいかな…とは思いましたが、“怪獣映画のお約束”として割りきり、敢えて減点しないでおきます。山崎監督と白組のこれまでの努力・歩みの結実であり、かつ、【シン・ゴジラ】を乗り越えて新作を生み出したパワーに敬意を表し、10点を献上します。

*オリジナル版も、この投稿を機に加筆しております。
せんべいさん [映画館(邦画)] 10点(2024-08-04 17:03:06)(良:1票)
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