| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 【ゴジラ-1.0】の投稿文に『私も山崎監督とは、ほぼ同年代であって【スターウォーズ】や【未知との遭遇】に新鮮さを感じた一人です』と書いたものの、まだ当作品のレビューは未投稿でした。それでは誠意がないと思い、年末年始にBDをレンタル。収録されていた【オリジナル劇場版/特別編/ファイナル・カット版】を一通り鑑賞。それぞれ一長一短があると感じたので、この投稿では1つのバージョンに特定せず“総論”としてお伝えします。
まず“総論”を述べる前に“前置き”から。 小学生当時、クラスメートが持ってきた【UFO・宇宙人の本】や、TVでの【UFO特番】を恐々と見ていた私にとって、粒子の粗いUFOや宇宙人の写真・映像は大変強烈で、夜に布団を被っても『宇宙人にさらわれてしまうのではないか。このように隠れていても、宇宙人の科学力の前では、ばれてしまうのではないか』と眠れなかったものです。 その後、【昭和53(1978)年のお正月映画の宣伝番組】で「現在、アメリカでは、2つのSF映画がヒットしている。日本でも公開予定」と紹介されていたのが【スターウォーズ】と【未知との遭遇】でした。【スターウォーズ】は「往年のハリウッド映画のワクワクさせる理屈抜きの面白さを、SFの設定で復活させた作品」と説明され、興味がわきましたが…【未知との遭遇】は、①【UFO・宇宙人】ものであり、②私が苦手な“人間が食い殺される映画”の【ジョーズ:1975年】の監督作品ということで、観る気にはなりませんでした。 その後、【宇宙人との友好的な交流を描いた映画】だとわかってきて、中学生のときに劇場公開された【未知との遭遇 - 特別編】を友人達と観に行きました。表向きは「スターウォーズとの違いを比較検討するため」でしたが、内心は『UFOや宇宙人にまつわる恐怖感を克服する』という、自分に課した“通過儀礼”の意味合いが強いものでした。そして当時の感想ですが…ミステリアスな演出はあっても、悲鳴をあげたくなるような恐怖は感じられず、ひと安心。巨大なマザーシップとのコミュニケーションを描いたクライマックスは「現在の日本では、とてもこのような映像は創れない」と感激し、“通過儀礼”を無事に終えることができました。 それでは、ようやくBDを観ての“総論”に入ります。 まず、特殊撮影は…今、観ても素晴らしいと思いました(正確には、初見時の感激が蘇りました。私は、たとえ最新の映像を目の当たりにしても、それとは別に、かつて観た映像は、当時の感情と共に心に留めるタイプのようでして…)。特に“光を使った演出”は、特殊撮影を担当したダグラス・トランブル氏の真骨頂ではないでしょうか。 おそらく現在なら【ドローンで撮影したかのように、カメラが自由自在に動き回るような映像】にするかもしれませんが…当作品の場合は【UFOや宇宙人に遭遇した人々の視点からの映像】ということになりますから、【自由自在に動き回る…】は却って過剰演出になるのでは…と思われます。 一方、ドラマは、ロイの設定が気になりました。【誰が何と言おうとも、自らが感じること・思うところを、とことん突き詰めていく】という要素は良いとしても…それが【家庭を壊す】とイコールでなくてもいいのではないか、他にも別の設定は幾らでもあったろうに…と思ったのです。現在、家庭を持つ私としては、マッシュポテトで山を再現しようとする父親の姿に大粒の涙を流すお兄ちゃんの姿は、中学時代の初見時もそうでしたが、今回、観ていいて一層、痛々しく感じました。 ですから、ロイを例えば【不慮の事故で妻子を亡くした男性】という設定にして…毎晩「あの世界に妻や子供達がいるんだ」と星空を眺めていたら、UFOに遭遇し…周囲からは「奥さんや子供を亡くして、おかしくなってしまったんだ」と同情されたり奇異に見られたりしながらも、山を作り続け…最終的に「これで、妻や子供達のいる世界に行ける…」と旅立っていき、エンドクレジットで「♪星に願いを」が流れる…そんな展開なら、しっくりくるかも…と思ったりしています。 さて、採点ですが…上記の通り、ドラマには気になる所はあるものの…私にとって【UFOや宇宙人への恐怖感】を克服させてくれた思い出深い作品です。【スターウォーズ】と共にSF映画ブームの火付け役となり、ひいては山崎監督の【ゴジラ-1.0】にもつながった影響力も鑑み、先に投稿した【スターウォーズ】と同様、10点を献上させていただきます。 *なお、今回はBDでの鑑賞でしたが…鑑賞環境は【特別編】を観た映画館(字幕)とさせてください。 【せんべい】さん [映画館(字幕)] 10点(2025-01-11 09:05:00)《更新》
せんべい さんの 最近のクチコミ・感想
|