| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 私は、これまで当作品を観たことがありませんでした。子供の頃、頻繁に東宝特撮映画をTVで放送していたにもかかわらず、何故か、当作品は見損ねていたのです。さらに、その後、特撮の専門誌を読むようになって「元祖キング・コング(1933年)の生みの親であるウィリス・オブライエン氏は、フランケンシュタインが創造した怪物とコングが戦う企画をRKOに持ち込んだのだが、いつのまにか日本に渡って当作品になったことを知り、落胆した」という情報を知ってしまったことも影響しました。
ところが【東京おにぎり娘:1961年(昭和35年)】を観たら、無性に「同時期の作品を観たい!」という衝動に駆られて、遂にDVDをレンタルし鑑賞させていただきました。 基本的には、素晴らしい作品だと思います。 まず【モスラ:1961年】も担当した関沢新一さんによるコミカルな味付けの脚本と、それをテンポよく演出した本多猪四郎監督の本編(ドラマ)パートからは「これは世紀の対決だよ!娯楽映画として気楽に楽しんで!」というエネルギーが伝わってきました。 そして、他のレビュアーさん達もおっしゃっている通り、有島一郎さんが素晴らしいですね。私にとって有島さんは、TBSの子供向けドラマ【ケンちゃんシリーズ】のお爺ちゃん役や、TV時代劇【暴れん坊将軍】の初代の爺の印象が強かったので「昭和を代表する名俳優さんだったんだ!」と感激しました。 一方、特撮も素晴らしく、しかも、上述した本編(ドラマ)と違和感なくテンポ良くつながり合っているのは、本多監督と円谷英二さんとの信頼関係の賜物では…と思いました。 ただ、肝心のゴジラとコングについては…まず、ゴジラは良いとしても、コングの造形がどうも…私から見てもお世辞にも良いという印象は受けませんでした。鑑賞後、あらためて特典のコメンタリーを聴くと「アメリカ側から、コングの顔はオリジナル版とは違うものにしてくれ、と注文をつけられてしまった」と知り、相当、作り難かったんだろうな…と、納得しましたけど…。 また、闘いについても、最後の最後でコングも【落雷のパワー】で互角になるものの、それまでは常にゴジラ側が優勢の展開であり、【ゴジラ映画】としては良くても【コングの作品】という意味ではどうなんだろう…と微妙な気持ちになりました。 さて、採点ですが…このようなわけで【昭和パワーに溢れた元気な娯楽作品】としては申し分なく、【ゴジラ映画】としては10点にしたいところですけれど…【コングの作品】としては引っかかるものが残りました。このモヤモヤは、この後に観た【キングコングの逆襲:1967年】で解消されるのですが…その【キングコングの逆襲】と比較して8点とさせていただきます。ゴジラごめんね… *【キングコングの逆襲:1967年】は、別途、レビューを投稿しております。 【せんべい】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-10-11 19:06:49)(良:1票)
せんべい さんの 最近のクチコミ・感想
|