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《ネタバレ》 途中までは退屈で仕方なくて
(リアルな高校生活を描きたいのかも知れないけど、そのせいで山場の無い映画になっているよなぁ……) などと意地悪に考えていたのですが、いざ本番での演奏シーンには圧倒されましたね。 それまでがテンションだだ下がりであっただけに、揺れ幅の大きさを感じられました。 演奏開始前に、主人公の女の子達が「どうだった?」「言えなかった……」と笑顔で会話を交わす辺りも良かったです。 上述のように、ラスト十分ほどは楽しめた作品なのですが、気になる点も幾つか。 まず、主人公達が遅刻したせいで色んな人に迷惑が掛かっているはずなのに、謝罪する姿が殆ど描かれていない事。 そして観客である自分としては、映画冒頭にて、ぎこちなく「リンダリンダ」を歌っていた留学生の少女が、きちんと歌えるようになったというギャップに感動させられたけれど、映画の中の人々まであんなに熱狂しているのは不自然に思えた事。 ユニコーンの「すばらしい日々」などが、あまりにもブツギリな編集となっており(ちゃんと区切りの良いところまで聴かせて欲しいな)と思わされた事。 一番キツかったのが、エンドロールにて本物のThe Blue Heartsによる「終わらない歌」を流した事で、これはもう何と言うか、残酷です。 せっかく(女の子達が頑張って演奏する姿、良いなぁ……)と思っていたところだったのに(やっぱり本物は違う!)と唸らされ、先程までの演奏が、完全に霞んでしまったのですよね。 せめて劇中で彼女達が「終わらない歌」を唄っていなければ何とかなったかも知れませんが、ご丁寧に連続して聴かされたものだから、たまらない。 全体的には嫌いな作風ではありませんし、監督さんの「溜めて溜めて、クライマックスで解き放つ」上手さは凄いと思うのですが、最後の最後で(何も本物を流さなくても……)と、嘆息させられた形。 一度は感動したはずなのに、それを上書きされてしまったという、貴重な体験を味わえた映画でした。 【ゆき】さん [DVD(邦画)] 6点(2016-07-12 05:22:29)(良:2票)
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