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《ネタバレ》 テンポが良くて、音楽もキマっていて、楽しく観賞出来る映画です。
この手のティーンズホラーだと、リアリティレベルというか「主人公達が見舞われる災難は、どれくらい非現実的な物なのか」が途中で気になってしまう事が多いのですけど、本作は早い段階で、それに対する答えを示しているのですよね。 始まって十分程で「この殺人鬼は超常的な力を持っている。何でもありのタイプだよ」と教えてくれるので、観ている側としても受け入れやすいし、何でもこいという気分になれる。 この辺りのバランスが、結構絶妙でした。 例えば、もう十分遅れるだけでも「えぇ……現実的な殺人鬼かと思ったのに、何でもありのタイプだったのかよ」と落胆していた可能性がありますからね。 殺害シーンをスタイリッシュに編集して、素早く流し、死に様をしつこく見せず、サラッと済ませる辺りも好印象。 ディープな方には物足りなく思えるかも知れませんが、自分のように「怖いのは好きだけど、残酷なのは苦手」というタイプにとっては、程好い感じでした。 日本の怪獣映画風のヘラバーガーのCMも、実に馬鹿々々しくて良い。 「さぁ、行こう」と「最高」を掛けたと思しき「へら~ば~が~だ、さ~いこ~う」というCM音声も、作中で何度も流されるせいか、クセになっちゃうものがありました。 子供が遊ぶ為のプレイスペースにて、ゴムボールの海の中から、ピエロ顔の殺人鬼がゆっくりと起き上がり、店内の壁に描かれたピエロの絵とシルエットが重なるシーンなんかも(上手いなぁ)と素直に感心。 ヒロインが「ヴァージンを捨てる」という死亡フラグを立てた上で、ちゃっかり生き残る結末なのも面白かったですね。 一種の定石破りであり、それと察した観客に対して、シンプルな結末で煙に巻いてくれるという形。 この辺り(ホラー映画好きなら、説明しなくても分かるよね?)と作り手は思っていたのかも知れませんが…… もうちょっと分かり易く、作中の人物に「こういう場合って、生き残るのは処女だけのはず」くらい言わせてみても良かったかも。 その他、不満点としては「蝋燭を持った殺人鬼にアルコールを噴き掛けて、火達磨にする」というクライマックスにて、炎のエフェクトが微妙に感じられたくらいでしょうか。 元々期待せずに「楽しい暇潰し」とも言うべき時間を求めて観賞したせいか、満足度は高かったですね。 スラッシャー映画ではあんまり見かけない「NG集」が収録されているのも嬉しい。 劇中で無残に殺された女性が、死体メイクのままで元気に笑っていたりするのを見ると、ほのぼのしちゃいました。 こういう映画を好きって言うのは、ちょっと勇気が要りますけど、やっぱり好きです。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2017-06-19 05:09:52)(良:1票)
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