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《ネタバレ》 変に勿体ぶったりせず、始まって早々に怪獣が登場するのが良いですね。
これはスピーディーな展開で楽しませてくれる「隠れた傑作」じゃないかと、期待も膨らんだのですが…… 残念ながら、その後の展開は非常にノンビリしたものであり、本当に「冒頭で怪獣を出しただけ」だったりしたもんだから、ズッコケちゃいました。 そもそも本作って、劇中に「モスラ」の小美人のようなキャラが出てきたり、はたまたドクター・ストレンジラブっぽいキャラまで出てきたりと、如何にもな「オタク映画」って感じなんですよね。 恐らくは監督さんも「怪獣映画は、怪獣が出てくるまで長いのが嫌だ」って考えを、常々持っていたような人なんじゃないでしょうか。 だからこそ「勿体ぶらずに怪獣を冒頭で出す」っていう定石破りをやってくれたんでしょうけど……正直、この映画で評価出来るのって、そこくらいでした。 基本的なストーリーは「闘技場」(1944年)の系譜であり、王道の魅力はあるので、決定的に話作りがダメって訳じゃないんですが……やはり、もっと「本作独自の魅力」のようなものを感じさせて欲しかったです。 唯一「ザルコーは地球上のどんな武器でも倒せない」という前置きは中々面白くて、その倒し方に期待してたのに、それに対する答えも「謎の隕石が盾であり、ザルコーの光線を盾で反射すれば勝てる」ってのは、ちょっと拍子抜け。 実際に倒す場面も、人と怪獣の合成っぷりが丸分かりなクオリティだし (なんでザルコーは足元の人間を踏み潰さずに、わざわざ光線出すの?) って疑問も湧いてきちゃうしで、全然スッキリしなかったです。 他にも「主人公に背中見せたせいで銃を奪われる警官が間抜け過ぎる」とか「エイリアンの存在を信じてるジョージが仲間になる流れは、もっと伏線を張って丁寧にやって欲しかった」とか、色々と不満点が多い映画なんですよね。 そもそも、主人公達のパートと怪獣のパートが全然繋がってなくて、主人公達がアチコチ移動してる合間に、まるでノルマをこなすかのように怪獣がミニチュア破壊する場面が挟まれるって構成なのが、根本的にダメだったと思います。 例えば、せっかく「ザルコーは主人公を狙ってる」という設定がある訳だから、主人公がテレビ局を立ち去った直後にザルコーがテレビ局を襲う流れにするだけでも「巨大な怪獣に狙われている恐怖」「追われつつも、何とか巨大な敵を倒す方法を模索する主人公」って形で緊迫感が出たと思うし、作り込みが甘かった気がしますね。 軍隊と怪獣の戦いをラジオの中継で済ませたりとか、非常に低予算な作りなので、あんまりツッコミ入れるのも野暮なんでしょうけど…… それでも本作に対しては「もっと頑張って欲しかった」って気持ちが強いです。 自分も怪獣映画好きで、映画オタクだからこそ、観ていて共感しちゃうし、その分もどかしさも湧いてくるような…… そんなタイプの映画でありました。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 4点(2020-06-03 23:12:28)
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