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《ネタバレ》 あ、ジョン・フランケンハイマーだ。既に最低限の面白さは担保されたようなものだ。実際、ニヤニヤしながら観た。
「ケースを手に入れろ。」「中身はなんだ?」「知らなくていい。」自虐的とでもいうような解り易いマクガフィン。 中身は最後まで不明のままだが、容れ物には役割を持たせてきた。外側のケースだけがキーになるのだ。 ロバート・デ・ニーロが突然こそこそとなにかをし始めるが、ことが起こるまで目論見が読めない。なるほどと思わせるような形となって後に回収される。 人物描写として周到で用心深いところを如実に表現しながら、観ていて楽しいシーケンスだった。 冷戦終了におけるスパイたちがさながら主家がお取り潰しにあった侍(=浪人)のごとくミッションに糾合されたという意味でこのタイトルなのだが ド頭で、ああこいつらは裏切りに次ぐ裏切りでケースを奪い合って次々と死んでって、最後にデ・ニーロが一人残って ケースはセーヌ川にでも落としてしまうんだろうなーなどという予見をしながら観るのが、おそらく普通の鑑賞姿勢だと思う。 そういう風に観ると、サックリ美味しいスナック菓子のような軽快なスパイアクション映画として楽しめるし、 幕が下りてもしつこい余韻を残さず、スッパリと忘れ去って何年後かにまた鑑賞できるけどいい感じだったという記憶だけ頭に残るだろう。 カーアクションがとても良い。カーアクションにCGを使う必要など一切ないということが証明されている。 罪のない人間が理由もわからずに巻き込まれて殺されてしまうドライなフランケンハイマーのタッチはフィクションとしては正しい。 年齢制限など恐れない、本来大人向けの映画なのだ。 【うまシネマ】さん [インターネット(吹替)] 7点(2019-09-21 12:27:56)
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