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レビュー情報
《ネタバレ》 マイルス・デイヴィスが引退した1975年から数年。
健康状態の悪化により入退院を繰り返しているうちに、コカインやアルコールなどに 溺れて生活は荒み切っていたという。 それでも、音楽に対する情熱は冷めずにいて、ひっそりとスタジオ入りして セッションを行った事もあるらしい。 本作はそんな「幻のセッション音源」をめぐる騒動を主軸に、現在と過去を行き来しながら マイルス・デイヴィスという偉大なるミュージシャンの姿を描く。 個人的に気に入ったのは、ありがちな伝記物語になってないところ。 類まれなる才能ゆえに早くから頭角を現し、時代の寵児になって、でもドラッグに溺れて、 愛する女性に支えらえ&愛想つかされ、そんな彼の晩年は悲しい色やねん~的な。 ぜんぜん、そういうのと違いますー。 レコード会社や野心家のプロデューサーらがこぞって狙う「幻のテープ」。 これがマクガフィンとなって映画を転がし、ユアン・マクレガー扮する音楽ライター (見た目ふかわりょう)とのコンビが、バディムービー調でちょっと弾む。 「スケッチ・オブ・スペイン」のジャケットが飾られたレコード会社のエレベーターの中から するっと過去に移動したり、転んで床に倒れこむ人物のマッチカットで現在に戻ったりする 映画のマジックが楽しい演出も個人的に好き。 演奏シーンと回想シーンのつなぎ方や、時間と場所の飛ばし方なども手際がよくて、 編集もイイと思いますね。 あとは、とにもかくにも音楽です。演奏シーンはマイルスの音源を使っているのが殆どで、 聞き惚れてしまう。特に彼のファンでもなかった自分でも思わず身体が揺れる(笑)。 特にラストのライブ・シーンのカッコ良さったら!! もしやと思ってエンド・クレジットを確認したら、やっぱりハービー・ハンコックと ウェイン・ショーターが参加していました(泣)。 ドン・チードルも嗄声のボソボソ喋りで役作りを頑張ってた感じ。 最後のステージなんて、すごいサマになってて震えます。 音楽ファンの方にはオススメ。 【ポッシュ】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-07-22 23:20:40)
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