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《ネタバレ》 そんな酷評されるほど悪い映画ではないような…。オペラに被せる形で進行するクライマックスは、前の二作と同じくらいに見応えがあり、シリーズ最終作としての役割をきっちりと果たした作品だと思う。
前二作と比較しての弱点はやはりキャスティングだろうか。デュバル演ずるトムヘイゲンがいないのは問題だろう。トムが毎回粛清される相手と交わす空恐ろしくてほろ苦い会話シーンが大好きな私としては、本作でもぜひそれを盛り込んでほしかったのだが、それは叶わなかった。また、アンディガルシアも若きパチーノやデニーロと比較して確かに演技力不足だったと思う(レジェンド級の二人と比較されるのは酷な話だろうが)。パチーノがパート1で見せた衝撃的な目の色の変化や、パート2におけるデニーロの、マーロン・ブランドに寄せつつもカリスマを全身から放出しているような演技に較べ、彼の演技はそういう領域には達していなかったような気がする(かつてのドンたちには遠く及ばない、それがヴィンセントのキャラクターなのかもしれないが)。 ヴァチカンの醜聞を取り込んだストーリーは今から見ても興味深く、また将来に渡っても議論される余地のある脚本だとは思うが、キャラクターバランスを欠いたところが本作の弱みだろう。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-06-12 14:27:55)
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