男はつらいよ 寅次郎恋歌 の K&K さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > オ行
 > 男はつらいよ 寅次郎恋歌
 > K&Kさんのレビュー
男はつらいよ 寅次郎恋歌 の K&K さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 男はつらいよ 寅次郎恋歌
製作国
上映時間114分
劇場公開日 1971-11-20
ジャンルドラマ,コメディ,シリーズもの,TVの映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 シリーズ8作目。なに?おいちゃん役の森川さん、本作を最後に亡くなってしまうのか。シリーズの長さを考えると、あまりに早い重要人物の交代は、心より残念に思います。

オープニングから重たい雨。旅芸人の座長と景気の悪い近況話。さくらの耳に入る悪い例えに使われる寅の話。寅が帰ってくるなりいきなりギスギス。驚いたのは酔っ払いを連れ込んでの酒宴。とらやのみんなにイライラしてる寅、おいちゃんたちを使用人呼ばわり、さくらに一曲歌えなんて…これは最低だ。寅ってこんな奴だっけ?って驚いてしまった。観ていてヒリヒリと痛い。続く博の母の葬式。食事の席での言い争いと、笑えない場面が続く。う~ん、重たい。

寅が博の父と暮らし始める辺りから、いつもの調子に戻ります。日暮れのリンドウの花越しに見る家庭の明かり。家族の食事。瓢一郎の人生観。この深い話を繰り返し出して、借り物の話の伝わらなさ、本人に話す気まずさ、苦し紛れに出てしまいマドンナの心を奪わせる。上手いなぁ。
寅の女性観には、今の暮らしと違う、人生が変わる“憧れ”があるんでしょう。今回のマドンナは寅の暮らしに憧れます。本気じゃないにしても、寅に対する探りとも言える「私も一緒について行きたいな」。
寛子と未知の新しい暮らしをするのでなく、自分の暮らしに寛子を連れて行く。それを想像して、寅は一気に現実に引き戻されたんでしょう。中学で家を飛び出した寅。テキ屋稼業の大変さは身に沁みています。万に一つ一緒になって、学(子供)はどうなる?そう考えると、身を引くしか無かったんでしょう。
最後の寅とさくらの会話。「兄ちゃんの、こんな暮らしが羨ましいか?」そんな問に対するさくらの返しが心にグイッと来ます。

旅先で偶然再会した一期一会の旅一座。お互いいつ死んでても解らない風来坊の暮らし。「そうかい。良かった。本当に良かった。」いまが無事で居ることを確かめ合う。なんか本作、最終回の前に見返したくなるかも?
「それを言ったら、おしまいだよ」おっとここで出た名台詞。売り言葉に買い言葉。なんか初めて聞いたような気がしてたけど、1作目から言ってた模様。
K&Kさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2023-07-15 16:02:57)
K&K さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-26男はつらいよ お帰り 寅さん5レビュー6.97点
2024-04-25コーダ あいのうた6レビュー7.36点
2024-04-25PLAN 756レビュー6.75点
2024-04-24男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花<特別篇>3レビュー4.92点
2024-04-24静かな生活5レビュー5.20点
2024-04-24男はつらいよ 寅次郎紅の花7レビュー7.76点
2024-04-10カメラを止めるな!8レビュー7.36点
2024-04-04志乃ちゃんは自分の名前が言えない6レビュー6.50点
2024-04-04男はつらいよ 拝啓車寅次郎様4レビュー5.85点
2024-04-03ゴジラ(1954)8レビュー8.20点
男はつらいよ 寅次郎恋歌のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS