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《ネタバレ》 『良き時代のパリ、サイレンと言えばセイレーンのこと、消灯が空襲とは無関係だった時代…』ユーモラスだけど戦争に対する皮肉たっぷりなオープニング。エッフェル塔に登り、技術的な価値の高い塔ときらびやかな夜景を語るニノチカ。製作時はまだ開戦前だったから、僅か半年でフランスが占領されるなんて、思っていただろうか。ドイツじゃなくてソ連のお話だけど…
3人組が早くも社会主義の理想と現実を見せてくれる。タバコ売りのメイドが部屋に入る度に『うおぉ~~!!』って、パリの自由を楽しんでるなぁ。 特命全権公使が若い女性なギャップ。いかにもソ連っぽいニノチカのキリッとした表情と話し方、お洒落な帽子に眉をひそめる仕草とか、観てるだけで可笑しい。『人民のパンを自称・大公女と折半するの?』なんかそれはそれで、説得力あるんだよなぁ。エレベーターを使わず階段を登るニノチカ。『誘ってるの? 拒否するの?』『ベッドに行きなさい、お爺ちゃん』あのキャラで日常会話してるのが面白い。古傷を見る?って言われたらドキッとするし、斜め上から撮るキスシーンは何か斬新だった。 無表情&無感情キャラの元祖だろうか?今でもしっかり通用するキャラ設定。そして大爆笑からのキャラ崩壊。ここから一気に人との接し方が変わるニノチカ。部屋の鍵を閉めてお洒落な帽子を被ったり、レオンに帽子姿を見せるときのちょっと恥ずかしそうなとことか、とにかく可愛い。 “笑わないグレタ”と言えば、私の中ではスウェーデンの活動家の女の子。 名前は知ってるけどイメージがボンヤリしていた大女優グレタ・ガルボ。彼女が異例のコメディで大爆笑するところが売りの作品だし、彼女の主演後期の作品だから、ニノチカがグレタの代表作というのは変かもしれないけど、間違いなく彼女の魅力がしっかり出ている作品。 アカデミー主演女優賞とは無縁だったけど、他の主演女優賞はたくさん受賞している。彼女の評価のされ方も興味深い。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-08-12 11:21:47)
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