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《ネタバレ》 私は、創作の“主人公を不幸なシチュエーションに遭わせる感動作”が苦手のようです。こう言う作品が好きで、心に届く方も居ることを考えると、批評的なレビューは避けるべきだとは思うんですが、制作側の「こうすれば主人公がもっと辛くなって、観てる人は泣くだろう」なんて考えてシナリオを創ってることを想像してしまうからでしょうか?苦手なんですね。
問題を突き付けられた際の、解答の意外性に重点を置いた作品に思えた。人の行動は、数学と違って答えは一つじゃないけど、この映画の場合は、どうしてこの答えを選んだのか、理解に苦しむ事が多かった。劇中の“周り(=家族や知人)”が納得しているから、外野の私が口を出すことじゃないんだろうけど、何度か「え?答えソレなの?」って思ってしまうことが多数… 旅行の際「ちゃんと伝えるね」は、自身の病気の事かと思った。まさかの実はあの店員さんが…ここは巧かったと思う。突然のビンタ。母が手話がいつか役に立つ。って習わせたところ。この辺のミスリードと前振りの回収はとても巧い。 あと双葉が実の母親に会いに行って面会を拒否された時、犬の飾りを握り締め、思い出に持って帰るのかと思ったら、エイヤと投げたのが痛快。 安澄への陰湿なイジメ。壁の“笑って”は誰が書いたんだろう?って思って、何かそこから救いにつながるような物語があるかと思ったが、特に触れられることがなかったのがちょっと残念。自分で書いたってこと? 全身絵具だらけな状態で「その(色の)中で、好きなのは?」それいま聞くことか?どうしてそれが安澄の救いになるんだ?? 制服を隠されたことに対し、体操服を脱いだのはびっくりする展開だった。これがもし、安澄がクラス中からいじめられていて、犯人が誰か(視聴者も)見当がつかない状況で、だけど安澄だけは犯人が解っていて、「今は体育の授業じゃないから」と言い返し、本人らを名指しせずに戒めた。って言うなら解るんだけど、あのクラスでは、あの女子3人が犯人なのは明白。だから突然下着姿になったことで、どうして彼女たちが制服を返そうと思ったのかが、私にはピンとこなかった。 「エジプトに行きたい、一生日本しか知らないなんて、人生もったいない」けど、連れて行けない場合どうする? 人間ピラミッドを見せる。約束を全然守れなかった夫に対する、双葉の小言の一つでもあるけど、それに対する答えもズレてる気がしてならない。前段、君江さんがご馳走を作って、さぁ食べようってタイミングで、土下座して自分のワガママを通すのも嫌。まずは君江さんの好意に感謝して、ご馳走食べ終わってからじゃないの?土下座とかするの。こんなダメ夫です。の上塗りに思えた。誕生日のしゃぶしゃぶは神聖で、君江さんのご馳走はなおざり?って、自己中な人に思えてしまった。 みんなが大好きな母ちゃんが死んでしまった。どうする? ウチ銭湯だから、火葬場でなくボイラーで焼いて、お湯沸かしてみんなで温まろう…えぇ~~~!? そもそも、双葉がそれを望んだんだろうか?夫一人の考えでそうしたのか?劇中の家族や知人がその提案を聞いて、誰1人疑問に思わないから丸く収まってるけど、私が参加者の一人であれば、間違いなくドン引きしてるだろう。 ジョニー・デップ主演の名作で似たようなシチュエーションがあるけど、あの映画のように納得いく説明は無いし、そうしなければいけない事情もない。『燃やせばお湯が沸くから、みんなで温まってしまえ』って考えに、『死体も口に入れれば栄養になるんだし、料理して食べてしまおう』ってカニバリズムと同じレベルの気持ち悪さを感じてしまった。 でも、オダギリジョーや宮沢りえと言った、自分の意見を言えるであろうベテラン俳優が出て、このシナリオで納得して演じてるんだから、理解出来る人には理解出来るんだろうな。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2025-01-09 23:10:27)★《更新》★
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